葬儀なのにミニスカマーチングバンド? 賑やかすぎる台湾のお葬式【今さら聞けない終活豆知識vol.7 】

       
今さら聞けない終活豆知識 終活
2025.09.24

国や地域によって様々な違いがある葬式の文化。日本では厳粛な雰囲気でおこなわれることが一般的ですが、台湾には一風変わった葬儀の風習があるようです。一体どのようにして死者を送り出しているのか、その内容に迫ってみましょう。

写真出典:PIXTA

ド派手なパフォーマンスで死者を見送る

台湾の伝統的な葬儀では、出棺の際に遺族や友人がパフォーマンス団体である「陣頭」を招いて、歌舞や演舞を披露してもらうという風習があります。故人が無事に冥土に旅立つことを願うためにおこなわれるこの儀式には、遺族の悲しみを和らげ気持ちを慰める役割も。また、陣頭を招いて葬列の規模を大きくすることで、喪主の人脈や財力を示す意図があるとも言われています。

しかし台湾でも、時代が進むにつれ簡素でシンプルな式が求められるように。最近では、見栄えのよさと楽器演奏の役割を兼ね揃えた西楽隊(マーチングバンド)が重宝されるようになりました。このマーチングバンドは、現地では「西索米(シソミ)」と呼ばれています。これは昔の葬式で演奏された楽曲が、「シ」「ソ」「ミ」で始まるものが多かったことが由来だそう。

かつては男性を中心とするグループだった「西索米」ですが、十数年前からはミニスカート姿の女性たちが主流に。アップテンポな曲も演奏して会場を盛り上げ、人気の楽団となると1日に3~4つの会場を掛け持ちすることもあるほど。伝統的な「陣頭」の衰退にともなって、広く人気を集めています。

さらに台湾の葬儀では「西索米」のほか、「電子花車」と呼ばれる派手な電飾の車が登場することも。この電子花車は主に縁日や春節前の忘年会イベントに登場することが多いのですが、葬儀の賑やかしとしても重宝されているようです。

盛大かつ華やかにおこなわれる台湾のお葬式。世界には、私たちの知らない「お見送り」の文化がまだまだ沢山あるのかもしれませんね。