VRが故人の想いを広げる場に

有志で元上司のVRお別れ会を実施
参加者同士がインタラクティブに故人の思い出を共有

故人の想いを広べる場として注目されている「VRお別れ会」。今回は、実際に元上司のお別れ会を実施したお二人に、VRお別れ会を実施する前段階のお話を中心に伺いました。参加者同士がインタラクティブに故人の思い出を共有できると好評だった実施内容について、ぜひご覧ください。

増渕 厚 氏
七條様とともに有志で元上司のVRお別れ会企画・実施

七條 亜紀 氏
株式会社あんしん相続サポートオフィスにて相続手続きや遺言書作成などの業務を手掛ける

故人様のお人柄/生前どのようなやりとりをされましたか?

七條:故人は私の元職場の上司になります。私が会社を辞めてからも、お付き合いさせていただきました。一緒に働いていたのは5年くらいだと思いますが、会社を退職して相続のお仕事をするようになってから、再会したのがきっかけです。おうちの相続のことでお手伝いさせていただき、今に至っております。

増渕:みんなに愛されていて、一緒に働いている人もそうですが、特にお客さんから愛される方でした。厳しくも優しく最後まで面倒をみてくださいました。会社でも上の役職まであがっても、誰隔てなく目線を各個人にそろえて接してくださる方でした。

お別れ会をはじめ、ご葬儀や各種お手続きなどもお手伝いされてきたきっかけや経緯を教えてください

増渕:ご家族がいらっしゃらなかったので、ご自身のことはよく考えられていたようで、日常の会話からもこういうこと(終活)について考えていらっしゃるのを感じていました。具体的な相談はやはり体調を崩した後です。会社にはこういう連絡をしてほしい、友人にこういう話をしてほしいという具体的なお話しを伺いました。

七條:入院されてからお電話とメッセージをいただきました。代々住まわれていたご自宅を売却したいというのは病気になる前からお話を聞いていました。まだまだ先のことだと思っていたので、まずは測量する準備をしていました。でも測量を待っていたら間に合わないなと思ったので、そこはなるべく早くということで、本当に数日で売却先を見つけるお手伝いをさせていただきました。

VRお別れ会の準備や実施に至るまでのエピソードは?

増渕:準備というよりは、はじめは冗談で「俺の葬式はやらなくていいからな」みたいなことをおっしゃったんですが、「だめですよ。いっぱい色んな人とお別れしなきゃ駄目です」という話をして、そうしたら照れながら自分の一番かわいがっていた部下を「葬儀委員長はあいつにやらせるか」みたいなことをおっしゃってました。気遣いの方だったので、亡くなる前はキーマンと考えていた5人だけに伝えてほしい、それ以外の人には伝えないで欲しいというやりとりがありました。

七條:私自身が不動産の売却をすると同時に、おうちのお片付けの現場にも入らせていただいていたので、どこに何があるのかを確認させていただいた上で、少しずつ時間をかけてどんなところから集めたらストーリーになるか組み立てて、また自分が一緒に働いていた時のことも思い出しながら、写真を集めさせていただきました。100枚くらいは選ばせて頂いたと思います。実際に私自身が撮った写真もあったので、もうちょっと増えていたかなと思います。

増渕:いろんな方にこれはいつ頃の写真で、どんなエピソードがあったかをお聞きしながらそこを文字で補足しながら作ることで、とても内容がですね、見た方に入っていけるコンテンツになったと思います。自分の知らない新入社員の頃からの写真もありますし、あとは一緒にお仕事していた時代の昔からご卒業までの写真を時系列に並べてみることで、本当にあの時こんなことあったなというのを改めて思い出すことができました。

生前準備の意義/生前にしておくべきこととは?(お仕事でも相続手続きや遺言書作成などの業務を手がけられている七條様に聞いてみました)

七條:自分がどうしたいのかというのをしっかり残して欲しいなと思います。一番望ましいのは「遺言」だと思います。ただ今回のように遺言まで作れなくても「こうしたいんだ」ということを頼れる人に残せたっていうだけでも、すごく前進しているというか一歩進んだ素晴らしいことだと思います。
なかなか経験された方じゃないとわからないだろうなと私も実際に経験して感じます。やはり大変な思いをしないと、次にどうしておこうかっていうのがわからない。ただそればかり待っていると皆さんやらないので、自分がいなくなった時に残された人がどういうふうな気持ちになるのかとか、どんなことをしなければいけないのかというのは、自分がいないからもう「なるようになれ!」っていう気持ちもわからなくはないんですけど、そこは大事な家族のため・遺される方のために、しっかり想いは記録していただきたいなと思います。

月刊終活 1月号に掲載されています

掲載記事

終活
2023.01.31