2025年8月、「中古品のプレミアム販売代行」を掲げるサービス「URIMAS」が始動した。「お客様の品物を預かり、販売時の価格に応じて75〜90%を還元する」という新発想。曖昧になりがちな買取の“中身”を可視化し、信頼と透明性を徹底したURIMASとは、どのようなサービスなのだろうか? URIMASを運営するKUROFUNE&Co株式会社・社長室長 中村拓歩氏に話を聞いた。

――URIMASとはどのようなサービスですか?
中村拓歩・社長室長(以下中村) 「URIMAS」は“中古品のプレミアム販売代行”サービスです。私たちは時計・ジュエリー・ブランドバッグから古美術品、絵画、楽器まで幅広い品をお預かりし、実際に販売した価格の75%〜90%をお支払いします。
URIMASが重視しているのは「還元性」「透明性」「利便性」の3つ。その場で買取金をお支払いするような出張買取業者の場合は、販売相場の見定めが誤っている可能性を考慮して、低めに買取金額を見積もる傾向にある。
例えば、100万円で売れるはずの商品を、30万〜40万円で買い取るケースは珍しくないのです。しかし私たちは、“安く買う”のではなく、“正しく売る”。専門鑑定士が適正価格を見極め、最も高く売れる販路を選び抜くことで、ユーザと企業の双方に利益をもたらしています。
――なぜそんな高い還元率が可能なのですか?
中村 第一に、「正確な鑑定力」です。URIMASには各分野の専門鑑定士が在籍しており、古美術・絵画・ジュエリーなど一般の査定員では判断が難しい分野も網羅しています。
第二に、「販路の最適化」です。弊社はブランドバッグ・時計・宝石などを扱う小売店舗や販売会を自社で展開。国内外の業者オークション、オンライン販路などと比較し、もっとも高く売れるルートで販売します。これにより、業界トップクラスの還元率を実現しているのです。
――なるほど、価値を正しく見積もり、販売価格を最大化することで、ユーザへの還元性を高くしている、ということなのですね。
ユーザ所有の骨董品にも “本当の価値”を見いだす
――では次に「透明性」とは?
中村 URIMASは、専門スタッフがだいたいの相場についてご説明し、最適な販売方法をご提案後、了承をいただいて品物をお預かりした上で販売をして、実際に売れた金額から、手数料を差し引いた差額をお返しする――という流れをとっています。
この工程の中で、なるべく透明性を担保できるよう工夫しています。例えば、私たち専門業者とお客様の、買取や相場に関する知識量の差を埋めるために、最初にお客様に提示する相場については、実際の中古の流通価格をタブレットなどでお見せしています。
またお支払いの際は、実際に品物を販売したときの明細書や請求書をご覧に入れます。
――口頭でやりとりをして、実際に品物を預けるという点では、どのようにお客様からの信用を担保しているのでしょうか?
中村 まず弊社では、コールセンターから営業、査定、販売に至るまで、外注、派遣、業務委託などは一切なく、従業員がすべてを担当しております。
お客様とのやりとりに「言った」「言わない」といったトラブルが生じないように、契約書や明細書はスタッフとお客様とのあいだで必ず読み合わせをしており、またやりとりはすべてボイスレコーダーに記録して説明義務のある項目をきちんとご説明しているかどうか、後日社内チェックも行っています。お客様のお品物は責任を持って管理することは当然ですが、万が一、商品を壊してしまった場合、なくしてしまった場合には、最初に提示した中古の流通相場の金額の100%を完全補償しています。
――最後に「利便性」とは?
中村 URIMASは、お客様がお持ちのお品物を弊社にお預けいただければ、あとは入金を待つだけ、というサービスです。ただ、ご自宅に来られることに抵抗感があれば、近隣の店舗に来ていただくことも、こちらが実費でダンボールを送り、着払いでの送付も可能です。
また弊社は、どんなものでも適正な価格を提示できるということが大きな強みです。
宝石や時計、ブランドバッグなどは一見オークションが高く売れそうですが、写真の撮り方や必要な情報の提示などが不十分だと適正な価格で入札されません。
また、掛け軸や刀剣などは処分が意外と難しく、売りたい場合も掛け軸は掛け軸の業者、刀剣や鎧はそれ専門の業者など、それぞれに業者がある。
一方で、なんてことのないお茶碗や湯呑みに実はすごい金額がつく、ということも珍しくありません。不要になった仏具でも、金が含まれているパーツがあったら、そこに地金の金額がつけられたりする。ご自宅にあるものをトータルで拝見し、普通の鑑定士ではなかなかわからないものにも価値を見いだせるというのが、弊社の強みなんです。
スタンドを置くだけで 葬儀会社も“代理店”に
中村 URIMAS誕生のきっかけは、当社代表・栗原修が体験した“カルティエのピアスの逆転劇”でした。
卸業者に100万円と査定されたピアスを自社販売会に出展したところ、最終価格はなんと500万円。「販路次第で価値は何倍にも変わる」—この経験がURIMASの原点となりました。
現在では全国の美容室・葬儀会社など約30社が代理店契約を結び、POPスタンドを設置してLINE登録をうながすだけで、販売成約時の5%をお渡しします。
エンディング業界では、相続や生前整理などの需要も増えているとお聞きします。URIMASならば、POPスタンドを置くだけであとは丸投げしていただいてOK。顧客満足度を上げてお互いがお客様と長いお付き合いができるよう、協力していくパートナーが増えたら嬉しいなと思っています。
POINT 01:KUROFUNE&Coの圧倒的な“強み”

1.トレーニングされたプロ社員
各事業・サービスを担当するスタッフは、営業から販売、コールセンター、専門性の高い鑑定士に至るまで、すべてが自社の従業員。特にユーザと直接やりとりする営業職として採用された人材は、入社後全員が本社に集められ、1カ月ほどの期間、専門的な研修を受ける。

2.URIMAS でユーザに“最大還元”
URIMAS が提供する“ 中古品プレミアム販売代行”サービスでは、担当スタッフが直接お客様のお品物を査定、預かりをして最適な販路で販売。その後、元のユーザに販売価格の75%を還元する。

3.小売店で買取品を直接販売
ジュエリー、ブランドバッグ専門の「The BOUETIQUE」、時計やビンテージの酒類を扱う「黒船時計古酒店」など、ユーザから買い取った中古品の“ 出先” として、直接運営の小売店を展開。買取品の価値を最大化することが可能となる。

4.CSR事業としての「チャリンコMAN」
放置自転車削減と環境負荷低減を目指し、中古自転車の主張買取サービスも展開。賃貸物件の管理会社、オーナーなどからの依頼を受けての大量買取も実施し、東京都足立区内のショップ「チャリンコMAN」での販売も行っている。
POINT 02: “中古品”に最大限のプレミアム価値を 「URIMAS」の販売代行システム


「その場で現金買取」を謳う一般的な出張買取サービスの場合、業者の利益を最大化させるため、どうしても低価格での買い取りになりがち。一方でURIMAS では、業者向けのオークション、一般のネットオークション・フリマサイト、自社の小売店、国内外の業者が参加する販売会などさまざまな販路から最適なものを選び、商品が実際に販売されたあとに、販売価格の最大75〜90%がユーザに支払われる仕組みなので、高い還元率が望める。なお、価格の高さを優先して小売店に置く場合は、買い手が付くまで時間がかかるケースもあるため、2〜3カ月後の支払いとなるケースも。
POINT 03: 葬儀事業者も即席の“販売代理店”に変身



飲食店から美容室、クリーニング店まで、全国30社以上の提携代理店に「URIMAS」のPOP スタンドを設置。そこからLINEでURIMAS と「お友達登録」をしたユーザがURIMAS のサービスを利用して中古品を販売してくれた場合、POPスタンドを設置してくれた提携代理店に対しても、最終販売金額の5%を支払う。つまり、中古買取サービスを直接手がけずとも、POPスタンドを設置してあとはURIMASに“ 丸投げ” してくれれば、中古品販売の代理店ビジネスが展開できる、というわけだ。顧客との生前からのつながりが重要視される昨今のエンディング業界の事業者にとっては、URIMAS という満足度の高いサービスを顧客に対して提案でき、生涯顧客の獲得機会を高められるといえよう。



