遠方から駆け付ける必要があったり、長時間の拘束を余儀なくされたりと、葬儀への参列は何かと負担が大きいもの。中には、様々な事情を鑑みて泣く泣く参列を見送る人もいることでしょう。そんな中、新たな葬儀の形として注目されているのが「ドライブスルー葬儀」です。
ドライブスルー葬儀とは、文字通り車に乗ったままお焼香ができる葬儀のこと。誰でも無理なく故人とのお別れの時間を持つことができます。早速詳しく見ていきましょう。

新たな葬儀の形態「ドライブスルー葬儀」を大解剖
ドライブスルー葬儀は、ドライブスルー専用の弔問場所が用意されます。弔問者は車に乗ったまま、ファストフード店のドライブスルーさながらの専用レーンを進み、順番が来たら車内でタブレット端末、もしくは帳簿に記帳。お香典は、窓越しにスタッフに手渡します。
お焼香も車に乗ったままおこなうことが可能。抹香を手でつまむ従来のスタイルではなく、火を使わない電熱式焼香システムが採用されています。葬儀場内にいる喪主や遺族は、モニターを通じてお焼香の様子を確認できるそう。
この画期的な仕組みは、2017年に長野県上田市の葬儀場「上田南愛昇殿」で初めて導入され、現在も「車上焼香システム」として運用されています。
ドライブスルー葬儀には「高齢者や身体の不自由な人など、葬儀場での長時間の参列が難しい人たちが参列しやすくなる」というメリットが。また「子どもや赤ちゃん連れの人にもありがたい」という意見もあり、若い世代にも歓迎されています。
一方で、「不謹慎ではないか」「故人を悼むあり方としては軽すぎる」などの批判的な声も。今までにない葬儀の形として賛否両論があがっているドライブスルー葬儀ですが、実は既にアメリカでも普及し始めているそうです。
アメリカでは日本とは異なり、開かれた棺の中の遺体を遺影や花とともにショーウィンドウの中に展示。弔問に来た人は、車に乗ったままガラス越しに故人と対面することができます。「歩くのが大変な高齢者」に加えて弔問客が多い場合や、忙しい弔問客のために活用されているそう。
決して歓迎されるばかりではないドライブスルー葬儀ですが、参列するハードルを下げ、多くの人のニーズに応える葬儀の在り方として評価されています。高齢化が進む中、選択肢として徐々に広まってゆくかもしれませんね。


