めまいは多くの人が経験する症状ですが、その原因は一つではありません。なかには、体の別の病気が影響して起こる「二次性めまい」と呼ばれるものもあります。命に関わる病気ではありませんが、日常生活に大きな影響を与えることがあります。今回は意外と知られていない二次性めまいについて解説します。
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薬物療法、前庭リハビリテーション、認知行動療法が有効
めまいが一度治まったと思ったのに、しばらくして「違うタイプのめまい」が現れることがあります。 このようなタイプは「二次性めまい」と呼ばれ、最初に起こっためまいが原因となって引き起こされる、別の種類のめまいです。 二次性めまいにはいくつか種類がありますが、中でも最も多いのが「持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)」です。
PPPDは、別のめまいをきっかけに起こることが多いとされています。たとえば、良性発作性頭位めまい症やメニエール病、前庭神経炎などのめまいを経験したあと、めまい自体は治まったのに「揺れている感じ」だけが残ってしまうケースがあります。これは、めまいを経験したことで体がバランスを崩すことに過敏になり、脳が必要以上に姿勢や視覚情報を警戒する状態になってしまうためと考えられています。いわば、脳のバランスの取り方が過剰に働いてしまう状態ともいえます。
症状としては、「ふわふわするような感覚」「立ちくらみ」「視界が暗くなる」「体が揺れるように感じる」といっためまいが3ヵ月以上にわたってほぼ毎日みられる事が特徴です。立ち上がった時や歩行時、人混みやスマホの画面などの視覚刺激で悪化し、夕方に強くなる傾向があります。
PPPDは最近定義された疾患のため、治療方法が確立していません。しかし薬物療法、前庭リハビリテーション、認知行動療法の3つが有効との報告があります。薬物療法では心因性のめまいに用いられる抗うつ薬を服用することで、症状が改善することがあります。前庭リハビリテーションは、内耳(前庭)の機能障害によるめまいやふらつきを改善するための運動療法です。頭や目を動かす訓練を反復し、脳の適応能力を促して日常生活動作の改善や転倒リスク軽減を目指します。一方、認知行動療法は、ものごとの受け止め方や行動を見直すことで、症状の改善を目指す精神療法の一種。めまいやふらつきなどが生じる誘因や症状の程度などを日誌に記入して認知することにより、めまいやふらつきへの前向きな対応方法に気づけるようにします。
PPPDをそのままにしていると、生活全般への不安が大きくなり外出や通勤が難しくなりがちです。仕事の集中力低下や休職、退職につながる可能性があります。また長期化することで慢性的な不安やうつ、睡眠障害を併発する恐れもあり、家族・社会との関係も悪化しかねません。ふわふわしためまいが数か月以上続いている場合は、早めに耳鼻咽喉科やめまい外来で相談してみることが大切です。原因を知ることで、不安が軽くなり、改善への一歩につながるかもしれません。


