せっかくの資産が“誰にも気づかれない”可能性も… デジタル終活が必要なワケ【今さら聞けない終活豆知識vol.3】

       
今さら聞けない終活豆知識 終活
2025.08.27

人生の終焉に向けて、様々な準備を進めていく“終活”。資産のデジタル化が進み、SNSも普及している現在では「デジタル終活」がより重要になっています。一体どんな準備をすればいいのか、「デジタル終活」について詳しく見ていきましょう。

残される人のために準備しておきたい「デジタル終活」

「デジタル終活」とは、スマホやパソコンなどのデジタル機器のデータや、インターネット上の情報、契約関係、アカウントなどの情報を整理し、死後に備えることです。「デジタル終活」をきちんと済ませておかなければ、残された人たちに面倒な対応をさせることになるかもしれません。

例えばスマホやパソコンのロックを解除するパスワードが残されておらず、故人のデジタル遺品を確認できないというケース。故人のスマホが開けなければ、身内であってもほとんど何も確認できなくなることは想像しやすいでしょう。

他にも、故人が契約したサブスクサービスのIDやパスワードが分からず、請求を止められないケースもあります。また、せっかくWeb上に資産を残しても、ログイン方法が残されていなければ誰も資産を引き出せません。そもそも資産があることにすら気づかないという可能性もあります。

SNSアカウントの管理も「デジタル終活」のひとつ。「自分が死んだ後のことを考えると、SNSのアカウントを整理しなきゃ」「SNSでしかつながっていない人たちに、自分が死んだと伝えられるように準備したい」といった声もあります。自分の死後にSNSアカウントを残すのか、またSNSで逝去の報告はするのかなど、ID・パスワードと共に希望を残しておくとよいでしょう。

ちなみに、「デジタル終活」に向けた整備が進んでいるSNSがFacebookです。家族や友人が運営会社に申請すれば、故人が事前に設定したとおり、アカウントの完全抹消か「追悼アカウント」への切り替えを実施。生前に指名した「追悼アカウント管理人」として、プロフィール写真更新などの管理をおこなうことが可能です。

「デジタル終活」の必要性が高まる中で、国民生活センターも「デジタル終活」を進めるよう呼びかけています。ポイントは、「スマホやパソコンのロックを解除するパスワードを残す」「契約中のサービスのID・パスワードを残す」「エンディングノートを活用する」「自分の死後、自分のアカウントにアクセスできる人を指名する」の4つ。やることが盛りだくさんの「デジタル終活」ですが、できることから始めてみてはいかがでしょうか?