聞こえを良くするため・清潔感を保つためなどの理由で、綿棒や耳かきで定期的に耳掃除をおこなっている方は多いと思います。しかし、その耳掃除が逆に難聴を引き起こす原因となっていることも。今回は、耳掃除と難聴の関係性について詳しく解説していきます。

耳掃除をすればするほど難聴になる!?
耳垢は耳掃除をしない人ほど詰まっていると思われがちですが、実はその逆。耳には「自浄作用」が備わっているので、耳垢は何もしなくても外へ排出される仕組みになっています。そのため、綿棒や耳かきを使って耳掃除をすると、出口付近にあった耳垢をかえって奥に押し込んでしまう結果に。
なかでも綿棒は外耳道とあまり太さが変わらないので、耳かきより耳垢を奥へ押し込みやすい形状をしています。入浴後に綿棒で耳掃除をする人も多いと思いますが、ふやけた耳垢はいつも以上に奥へ押し込まれやすくなっているため、綿棒を使うたびに耳垢が耳栓のように詰まってしまいます。「耳掃除をしているのに耳が聞こえにくい」という人は、耳掃除が原因で難聴を引き起こしている可能性があります。
さらに、過度な耳掃除は難聴を引き起こすだけでなく、外耳炎を引き起こすことも。外耳道は皮膚が薄く傷つきやすいため、耳かきや綿棒で耳の中を擦ると簡単に傷が付きます。外耳道に付いた傷から細菌が入ると外耳炎になり、耳だれや酷いかゆみ、閉塞感から日常生活に支障をきたすように。また、押し込められた耳垢が鼓膜に刺激を与えると、鼓膜炎を引き起こすこともあるので、これらの理由からも過度な耳掃除は控えるべきです。
基本的に耳垢は自然に排出されるため、無理に掃除をする必要はありません。ただし、どうしても耳の中に違和感がある場合は、自分で耳掃除をすると難聴や外耳炎などのトラブルを引き起こしやすいので、耳鼻科を受診するようにしましょう。


