地域社会を守るために積極的な「終活」支援を推進

9月26日に鎌倉新書と終活にかかわる支援協定を締結した福岡県直方市の大塚 進弘市長に行政サイドからの終活支援の取り組みについて聞いた。

※サービス利用世帯数・利用件数はインタビュー当時のものです。

100歳を迎えられた市民への自宅訪問をされた感想

小林:先日市長は100歳を迎えられた市民の方のご自宅を訪問されたということですが、そのことについてお聞かせ頂けますでしょうか。

大塚:男性の方は、昨年まで電動自転車に乗って本屋に行っていたということで、大変驚きました。一般的には100歳を迎えられているのは女性が多いのですが、直方市にはそういう元気な男性がいらっしゃるのを心強く感じました。100歳を迎えられる方が今年は23名いらしたのですが、その中から代表でお二方、男性と女性のところへお伺いさせて頂きました。ご両名とも元気で趣味もお持ちでした。

異変がある時に使用する「緊急通報装置貸与事業」

小林:直方市の「緊急通報装置貸与事業」の施策についてお話しを聞かせて頂けますでしょうか。

大塚:「緊急通報装置貸与事業」というのは、単身の高齢者の方や、その他の高齢者の方々が、いざという時にSOSを出すための装置の一つです。高齢化していくと私自身も不安に感じるのですが、認知症になって本人の意識が外れたところで遠くまで歩いていってしまう危険があります。そういった方々を地域のシステムでどう守っていくかという取り組みをしています。

「配食サービス事業」について

小林:高齢の方への支援としては、「配食サービス事業」や「ごみのふれあい収集」といった、日常的なところでの支援サービスもあるとお聞きしています。

大塚:配食サービス事業では、単身で食材の調達を含めて調理をすることが厳しい方、あるいはご高齢の世帯でそのような支障がある方々を対象に配食のサービスを行なっております。このサービス提供を受けている方は、既に246世帯(10/20現在)もいらっしゃいます。

「ごみふれあい収集」について

大塚:通常のごみの収集は、一定の集積場を設け、そこに各家庭から決められた日にごみを出していただくシステムです。ただ集積場は10軒、20軒を一単位にして作られていますので、集積場まで遠い方々にとって、ごみが重くかさばるときは運んでいくのが大変です。
ふれあいごみ収集では、足が衰えてしまった方やごみ集積場まで持ち込むことが難しい方々に対して、家の玄関先にごみを出してもらい、収集に行くサービスです。こちらは既に138件(10/20現在)の申込があり、対応しています。

終活に関して市長からメッセージ

小林:地域に根差した、本当に支援が必要なところへしっかりとサービスをされている印象を受けました。最後に終活に関して、市長からのメッセージを頂けますでしょうか。

大塚:私自身の終活を含めて考えますと、やはり残される方や家族のためにも身の回りをしっかりと整理して、後につないでいく必要があると思っています。これは誰にとっても歳をとるにつれて重要で大きなテーマです。
一つは身の回りの整理をすること。もう一つはいつまでも元気に健康で長寿を全うできる状況を作っていくこと。この二つのために、残された人生を有意義に過ごしていくことが大事だと思います。

インタビューの全文は月刊終活 11月号に掲載されています

掲載記事

特集 自治体
2022.11.15