鎌倉市の地域で取り組む終活・高齢者見守りサービス

神奈川県鎌倉市役所 高齢者いきいき課 中山 早野香氏

鎌倉市では終活情報登録事業をはじめ、配食サービスへの助成や高齢者見守り登録制度、緊急通報装置の貸出など、高齢者サービスに積極的に取り組んでいる。

配食サービスの助成

平成10年から配食サービスへの助成をはじめました。お身体が不自由な方やご高齢の方、認知症の方がご利用されています。調理負担を軽減し、栄養バランスの良い食事を提供するだけでなく、高齢者の安否確認としても役立っています。事業者様から利用者様に手渡しすることで安否を確認し、不調にできるだけ早く気づけるようにしています。

高齢者見守り登録制度

40年程前から高齢者見守り登録制度を実施しています。高齢で日常的な見守りが不足している方が登録しています。例えば、一人暮らしの方や家族が就労しているため、日中に一人になってしまう方、ご家族に障害があり見守りが必要な方が対象となっています。担当地区の民生委員に関わってもらうことで、地域でさりげない見守りが行われており、登録者に万一のことがあった場合は、迅速に親族に連絡できることもメリットとしてあげられます。

緊急通報装置の貸し出し

緊急通報装置の貸し出しは高齢者のみの世帯でご利用いただいています。身体の不調や健康に不安がある場合に、装置のボタンを押すと、24時間体制のコールセンターに繋がり、看護師に相談したり、民生委員や近隣が駆け付けたり、救急車の出動要請をすることができます。週一回のお伺い電話により定期的な見守りを行っています。今年度から、部屋にセンサーを設置し、一定期間動きがない場合は自動的にコールセンターに通報されるサービスを導入するところです。

市独自のエンディングノートの作成・配布

かゆいところに手が届く鎌倉市独自のエンディングノートを作成しています。内容は日常業務での市民の方々からの質問をヒントにしています。

おひとり様世帯の終活サポート事業

終活について不安を抱いて鎌倉市にご相談される方の多くは、近くに頼れる家族がいない場合や心配をかけたくないといったことがあります。そういった方に寄り添う為に、ご本人に万一のことがあった場合に、すみやかに大切な方や関係機関にご連絡をして、ご本人の意思を伝えています。医療や介護についての希望や遺言書の保管場所、葬儀やお墓についても網羅できるようにしています。

市民の皆様・視聴者の皆様へメッセージ

鎌倉市は地域の民生委員や友人による地域での見守りに力を入れています。最近見かけない方や洗濯物が干されていないなどの小さなサインに気づくことで、実際にたくさんの方が助けられています。人付き合いが不得意であっても、地域での関わりはご本人の生きがいにも繋がっていると思います。今はまだ将来の不安を感じていない方も、終活について考えて、準備することで安心して暮らしていけるのではないでしょうか。終活をプラスに捉えてもらいたいと思います。ご家族に頼りづらい方、金銭的にご不安が大きい方も気軽に相談にきていただきたいです。

インタビューの全文は月刊終活 10月号に掲載されています

掲載記事

特集 自治体
2022.10.18