ペット供養業界を牽引してきたディアペットが語るペット供養のいまとこれから

ペット供養の先駆者であるディアペットが、2022年10月1日、神宮前から四ツ谷に移転するとともに、「ペット仏壇仏具専門店」から「ペットメモリアル専門店」へと店名を変えてリニューアルオープンした。移転した経緯や新店舗のコンセプト、今後の展望などについて、同店を運営する株式会社インラビングメモリーの代表取締役社長を務める仁部武士さんと、常務取締役の関口真季子さんに話を伺った。

株式会社インラビングメモリー(東京都千代田区) 仁部 武士 氏 関口 真季子 氏

コロナ禍をきっかけに移転を決意

移転前、1階に「ペットロスカフェ」、2階にペット供養祭やお別れ会を行う「セレモニーホール」、地下1階に「ペット専用仏壇仏具」を構えていたディアペット東京店。移転したきっかけは、コロナ禍により店舗の環境を生かすのが難しくなったことだという。
「コロナと同時に1階のカフェは営業を停止。2階のセレモニーホールにおいても、ソーシャルディスタンスをとりながらイベントを開催するとなると、収容できる人数が従来の約半分になってしまいました。また、空気を入れ替えるために窓を開けると、原宿という土地柄騒音が入ってきてしまい、偲ぶ場としての環境を保つのが難しくなっていった。そんな中新店舗の物件とご縁があり、移転する運びとなりました」(仁部さん)
移転先の四ツ谷店はオフィス街に位置し、売り場面積は従来の1.5倍。また、仏壇仏具にとどまらず、ペットの終活に関するさまざまなサービスを取り扱っていきたいとの思いから、店名を「ペット仏壇仏具専門店」から「ペットメモリアル専門店」に変更してのリニューアルオープンとなった。
「新店舗はビル群の中にありながら緑に囲まれており、土日は静かで偲ぶ場としては最適です。移転前は『オフィス街に人が来てくれるだろうか』という不安もありましたが、インターネットで調べてご来店される方も多く、出足は好調です」(仁部さん)
「バリアフリー対応としてエレベーターを併設し、ご高齢者や車椅子の方にもご利用いただきやすい環境を整えております。また、1階に移動した仏壇仏具売り場の通路も広くとっているので、ペット同伴でご来店された方も一緒にお散歩がしやすくなりました」(関口さん)

店舗2 階のセレモニーホール

15 年前にペット供養サービスを開始

株式会社インラビングメモリーは石材店「株式会社ツームワン」として2002年に設立された。2007年より「ディアペットさいたま」でペットの火葬業務を開始し、ペット供養サービスに携わるようになった。石材店からペット供養にシフトチェンジしたのは、石材業界が斜陽産業になるのを見越しての決断だったという。
「墓石の売り上げが落ちていく中で、ペット供養に目をつけました。洋型墓石を勉強するためイギリスに行ったところ、当時の日本では珍しい小さなお墓を目にし、『日本ならこのサイズはペットに合うかもしれない』と思ったのがきっかけです」(仁部さん)
イギリスのお墓にヒントを得て、ペット用のお墓を製造して売り始めた仁部さん。しかし、販売当初はまったく売れなかったそうだ。
「なぜペット用のお墓が売れないのかを考えたところ、ペットの供養には何の決まりもないことに気づきました。人間の場合は、四十九日までに仏壇やお墓を購入し、法要後に納骨するのが一般的です。しかしペットの場合は、ご遺骨を安置し、お墓に埋葬するという概念がそもそもありませんでした。そのため、ペット火葬のサービスから始めることにしました」(仁部さん)
火葬のサービスを開始したところ、火葬後にご遺骨を祀る仏壇仏具の必要性も実感したという。
「どのようにご遺骨を祀っているのかをお客様に伺ったところ、使用していたお茶碗に祀っていたり、100円ショップで購入した写真立てを飾っていたりすることが分かりました。また、当時はペット用の仏壇仏具といっても、人間用の仏具に足跡のマークがつけてあるだけなど、ペットの仏壇仏具として不十分な商品しかありませんでした。ならばオリジナルでつくろうと、ペット仏壇仏具の製造販売に乗り出しました」(仁部さん)
仏壇仏具のデザインについては、かわいらしいデザインを心がけたほか、お湯のみを平たいかたちにするなど、動物に合わせてつくることを意識したそうだ。
「ペットがかわいい存在なので、仏壇仏具もピンクやブルーといったパステルカラーを基調としたかわいらしいものを取り揃えました。『こんなにかわいい仏具があるんだ』と驚かれるお客さまも多く、見ているだけで気持ちが和むと好評です」(関口さん)

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本記事はweb用の短縮版です。全編版は本誌にてお楽しみください。

記事の全文は月刊終活 11月号に掲載されています

掲載記事

仏壇
2022.11.08