大手家具メーカー関家具がインテリアに合わせやすいセラミック調の小型仏壇を開発

1968年の創業以来、一度も赤字に陥っていない家具メーカーとして知られる株式会社関家具。同社は2022年4月、小型仏壇「虹」「天音」の販売を開始した。どちらもコンパクトかつシンプルなデザインで、現代のインテリアに合わせやすいのが特徴だ。同社商品部の石川さんと営業部の松野尾さんに、仏壇づくりに参入した経緯や商品のコンセプト、今後の展望について伺った。

株式会社関家具(福岡県大川市)

石川 修三氏 松野尾 将氏

新しい挑戦として仏壇づくりに参入

日本有数の家具産地として知られる福岡県大川で、家具の総合商社を営む株式会社関家具。全国の家具店やインテリアショップ、通販会社などへの卸販売をはじめ、商品の企画開発に力を注いでおり、多様なオリジナルブランドを展開している。また、同社代表取締役の関文彦氏は2021年、テレビ東京系列『カンブリア宮殿』に出演。「創業から50年以上『赤字なし』という驚きの業績で成長を続けてきたトップ企業」の社長として紹介された。
同社が創業以来成長を続けてきた秘訣に、社員のチャレンジを積極的に後押しする風土があるという。仏壇も、新しいことにチャレンジしやすい環境のなかで開発が進められたと石川氏は話す。
「私は商品部内の『プライベートブランドを謳うにはまだ売上の規模が小さいノンブランドの商品』を取り扱う部署に所属しています。約半年前、新しいチャレンジとして『インテリアの一部として置けるような仏壇を開発してみよう』という流れになり、仏壇づくりに参入しました」(石川氏)
仏壇の開発は、営業部の松野尾氏が中心となり、大川の婚礼家具メーカーとタイアップするかたちで進められた。「そのメーカーさんは時代の変化で婚礼タンスが売れなくなったことから、5年以上前から仏壇を製作していました。もとも仏壇製作のノウハウを持っていたため、製作をスムーズに進めやすかったです」(松野尾氏)

セラミック素材で差別化を図る

仏壇「虹」は、セラミック調のメラミン化粧板を使った高級感のある小型仏壇。他商品との差別化を図るため、セラミックという仏壇にはめずらしい素材をあえて選んだという。
「以前は家具というとウォールナットやオークといった木材を使った商品が主流でした。ですが最近では、モダンな石目柄のセラミックタイルや壁紙も増えてきています。セラミック天板を使ったシステムキッチンも人気です。そこでセラミックのインテリアに合う仏壇として、虹を開発しました」(松野尾氏)
「天音」は、ウォールナット無垢材を使ったシンプルなデザインの小型仏壇。木製でありながら、バックボードにはセラミック調のメラミン化粧板が使われており、セラミックのインテリアにも調和しやすいつくりになっている。
「虹」「天音」は現在、関家具のショームームや卸先の家具店のほか、ECモールで販売されている。
「両商品とも、お求めやすい価格でありながら、品質や国産にこだわるというところに重きを置きました。売上としてはまだまだですが、『インテリアに合わせやすい』とお客さまからは好評です。今後は商品の認知度をさらに上げていくとともに、販路もさらに拡大していきたいです」(石川氏)

セラミック調のメラミン化粧板仕様の小型仏壇「虹」(98,000 円/税抜)
ウォールナット無垢材をふんだんに使用した小型仏壇「天音」(78,000 円/税抜)

記事の全文は月刊仏事 8月号に掲載されています

掲載記事

仏壇
2022.08.09