グラビアをはじめ、多くの著名人を撮影してきたカメラマンの渡辺達生氏。2011年に自身で立ち上げた『寿影』プロジェクトでは、多くの著名人の自分らしい笑顔の写真を撮影してきた。撮影現場でのエピソードや終活について伺った。
カメラマンになった経緯
小林:カメラマンとして著名人を多く撮影されてきた渡辺さんですが、カメラマンになられた経緯を教えてください。
渡辺:写真を撮り始めたきっかけは、小学校の写真部に入ったことでした。父が写真を好きだったこともあり、それからはずっと写真を続けていきました。大学卒業後は就職せずにカメラの道を究めました。最初は産経新聞社の『週刊サンケイ』で報道をメインに撮影し、その後、小学館の『GORO』でフリーカメラマンとして働きました。女優さんやアイドルなど幅が広がり、グラビアは5000 人程撮影しました。
数々の著名人を撮影した「寿影」の取り組み
小林:2011 年から始めた『寿影』プロジェクトについて詳しく聞かせてください。
渡辺:『寿影』は私がつくった造語です。遺影の“遺”は、ネガティブな印象があって嫌だなと思い、明るく楽しい印象の“寿”にしました。「あの世へは笑っていこう!」をテーマに、旅立ちの姿を宝物と一緒に、その人らしく楽しく撮影しています。
小林:撮影の際に宝物を持参してもらうと伺いました。
渡辺:『寿影』は宝物と一緒に撮影します。どんな人も宝物を持つと自然と驚くほど楽しそうな表情に変わります。偉そうな表情の社長も宝物を持つと子どもの顔に戻ります。小林さんも社員には見せない優しいお父さんの表情になりますよ(笑)。
自分の「好き」を大切に!ポジティブな終活のために
小林:寿影のコンセプトである「あの世へは笑っていこう!」が大好きな言葉ですが、終活についてどのようにお考えですか。
渡辺:死ぬのはおっかないから、私自身はあまり考えないようにしています。死ぬ準備はあまりしたくないかな。終活に関しては、自分の好きなようにやったらいいと思います。最後はお寺でも教会でもほかのなにかでも、自分の思うようにやったらいい。でも、歳を重ねると、好きな人と好きなものだけは絞られていくので、それだけは大事にしていけたらいいと思います。
小林:渡辺さん、ありがとうございました。