葬儀の口コミ 株式会社ディライト
インターネットで検索してみてほしい。「葬儀口コミ」「葬儀社評判」「葬儀社評価」――これらのキーワードを入れてつねにトップ3に出てくるのが「葬儀の口コミ」というサイトだ。名前の通り、葬儀社の情報とともにご遺族からの口コミ情報が豊富に掲載されている。ネット集客がますます重要性を増す昨今、同サイトの存在に注目が集まっている。運営する株式会社ディライト(東京都新宿区)を訪ね、その仕組みや利用状況についてのお話を伺った。
開設に至った二つの想い
株式会社ディライトは2007年の創業。当初から葬儀業界を中心とした人材派遣業を行っている。「忙しくてインターネットでの集客がおぼつかない。いくつもの葬儀社様からそういう声を聴いたこと。また一方で、ご遺族様側にも“多様な良さを持った葬儀社様が近くにもあることを知ってもらいたい”と考えたことが始まりです」
そう語るのは、集客支援事業部・大津吉健氏である。
この二つの想いが重なり立ち上げた「葬儀の口コミ」は、同社の重要な事業として成長してきた。これまでは人材派遣業で取引が多い首都圏の葬儀社の掲載が多かったが、その実績がまさしく“口コミ”として伝わり、ネット集客の比重拡大と相まって、最近では掲載を希望する葬儀社が日本全国からも集まり始めている。
“利用者にとって最適解の葬儀社”を探せる場
「葬儀の口コミ」は各葬儀社がそれぞれの自社サービスや想いを伝える場である。ただ、そこには葬儀社側が一方的に、いくらでもいいことを言えてしまうという問題点があり、自分にとってより適した葬儀社はどこかを探している利用者のメリットにならない。
そこで利用者側の視点に立ち、実際にその葬儀社を利用したご遺族の声を入れてサービス内容の裏付けを提供することにした。つまり、葬儀社側からの発信と、ご遺族側からの発信をセットにして、これからという人たちに「最適な葬儀を行なえる葬儀社はどこなのか探せる場」を提供しているのである。
偽りの口コミ系サイトには今や誰もだまされない
近年、特にITに詳しくなくても、多くの人はインターネットへの接し方に慣れてきており、こうした口コミ系サイトの記事をそのまま鵜呑みにはしない。そこに書かれている良い評判・情報=良い商品・サービス・会社であるとは単純に考えず、疑いの目を向け、その情報の裏側を読み取って、どの程度信頼できるのか判断しようとする。
「葬儀の口コミ」ではそういう人を基準に考え、社会全体のネットリテラシー(インターネットの情報や事象を正しく理解し、適切に判断・運用できる能力)の向上に対応したサイト作りを行っている。
「ご遺族の声」の2つのルート
ご遺族の声を掲載するルートの1つは、葬儀社側で取ったアンケートの掲載である。「葬儀の口コミ」側でご遺族が書いたアンケートを確認し「やらせ」の防止に努めている。
もう1つのルートは、サイト上にある口コミ投稿フォームからの直接投稿。これについてもネットリテラシーに長けた人は「やらせ」を疑う。葬儀社自ら、あるいは協力者に頼んで良い評判を投稿したり、競合に対しては悪い評判を投稿するといった行為である。
これを完全に防ぐのは困難だが、メールアドレスと携帯電話番号の入力を必須として、できるだけ不正な行為をしづらくする対策を行っている。