エンディング産業展が提供するビジネスマッチングのおもてなし

妻の東尾理子さんは、石田純一さんにどんな弔辞を読むのか ?

8 月末に開催される「第 10 回エンディング産業展」では、オープニングイベントや“おもてなし機能”など、来場者のかゆいところに手が届くさまざまなサービスが提供されるという。その内実はどのようなものなのか? 主催社である東京博善株式会社の担当者に話を聞いた。
文 : 千駄木雄大

8 月 28 日と 29 日に東京ビッグサイトで開催される「第 10 回エンディング産業展」。開催まで 1 カ月を切り、ようやく全貌が見えてきた。「昨年は開会式を行わなかったため、今回は業界関係者を主賓に招いたテープカットがあります。その後は仏教 9 宗派による合同法要です」そう語るのは、同イベントの主催社である東京博善株式会社のマーケティング部長・浜田勝俊氏だ。


合同法要について、同氏はこう続ける。

「エンディング産業展は、“亡くなった人を送り出す”葬送文化の維持・発展に寄与するために開催されてきました。しかしここ数年は、コロナ禍のために満足のいく葬儀ができなかった方たちも大勢います。そういう方々に向けて今回、仏教の各宗派が集い、みんなでお経を唱え、故人を供養しようというわけです」


また、タレント・石田純一さんの「生前葬」も大きな話題を呼びそうなイベントだ。弔辞はなんと、妻の東尾理子さんが読むという。「生前葬というのは『最大の終活』だと考えています。どんな形であれ、そうした終活の重要性を知っていただくことが、この業界の発展につながっていくと考えています。だからこそ我々も、『面白おかしくやってやろう!』という思いではなく、葬送文化にのっとった崇高な目的を持って、石田さんの生前葬を執り行うつもりです」(同)


専門業種の展示会とは思えないほど豪華なイベントが目白押しの第 10 回エンディング産業展だが、あくまでも業界向けの展示会であり、来場者と主催社の最大の目的は「ビジネスマッチング」である。

そのために今回は、出展社に「3つのソリューション」を掲げてもらうのだという。
「それは、『集客』『単価 UP』『人材確保・育成』の3 つです。出展社側には、自社のサービスが提供す
るソリューションを必ずひとつは選択してもらい、それを事前に公式サイトで紹介します。必ずひとつ
ということは、最大で 3 つのフラグを立てることも可能です」(同)


これにより来場者は、みずからの経営課題を踏まえてどの出展社のブースに行けばよいかが一目瞭然というわけだ。
しかし、第 10 回エンディング産業展が提供する“おもてなし”はさらに続く。同イベントで新たに提供されるという「3 つの機能」に着目てみよう。

2024 年のエンディング産業展で提供される“3 つの機能”

イベント会場ではある程度業種ごとにブースが分かれているため、同業者を見つけることはたやすいだろう。しかし、それぞれの出展社がどのような「ソリューション」を提供してくるのかは、よくよく話を聞いてみないとわからないはずだ。そこで、ホテルの宿泊客のあらゆる要望に対応するコンシェルジュのように、会場内には東京博善から派遣された十数人のコンシェルジュたちが、来場者の抱える経営課題にマッチした出展社のブースを案内してくれるのだという。会場内にはコンシェルジュデスクがあり、相談すると5社ほどの出展社を紹介してくれるのだとか。出展社の全体像を把握しているコンシェルジュに相談すれば、効率的にブースを回ることができるのだ。

エンディング産業展の公式サイトで来場者登録をする際、あらかじめ特定の事業者との商談アポイントやセミナーの事前予約が可能になる。これまでのシステムを完全に刷新したそうで、本文にも登場した浜田氏いわく、「『会いたい人と出会えなかった』と来場者にも出展社にも思わせないように、主催者として応援していくための機能のひとつ」なのだ。何千人もの来場者と出展社が集まる巨大なイベント会場を、一気に商談の場へと変貌させてくれる機能というわけだ。

昨年の第9回あたりから、海外からの来場者も増加しており、今回もすでに海外からの視察予約が多く入っているという。そのような来場者に向けて、各出展社のブースにはQRコードが準備されている。そのQRコードを読み込むと、英語あるいは中国語等のテキストと音声によって、その企業の業務内容やソリューションが把握できるのだ。さらに、直接会話できるように通訳アシスタントも常駐するというから驚き。ちなみに今回は、出展社として海外企業も複数社参加するそうだ。

月刊終活 8月号に掲載されています

掲載記事

葬儀 終活
2024.08.16