「キレイに撮って!」で楽しく終活 著名カメラマンが撮る「遺影写真」とは

近年、広告分野で活躍している著名カメラマンが、一般の人々を対象とした「遺影写真」の撮影を手がけるサービスが増えているという。価格はリーズナブル、SNS にて集客し、自身のスタジオまで依頼者に来てもらい、短時間でハイクオリティな撮影を敢行……という業務を請け負うこととなったプロカメラマンの思いとは?(文:千駄木雄大 写真提供:すべて角田修一)

2 人そろっての依頼であった母娘のツーショット写真とそれぞれのソロ写真。
その後、母上のほうが逝去され、この時の写真が葬儀で実際に遺影として使用されたのだという。

葬儀の際に「遺影に使えるような写真がない!」という話はよく耳にする。それは、「遺影」をわざわざ
撮影するようなシチュエーションがなかなかないからだ。その結果、故人が写っているスナップの集合写真を拡大して、両隣の人物や背景を葬儀業者に切り取ってもらう、ということになる。


そんな中、数々の広告やCD ジャケットなどを手がけてきた著名カメラマンが、みずからが所有するスタジオを開放して一般人向けの“遺影の撮影”を始めたという。


カメラマンの名は角田修一。かつては井浦新、伊勢谷友介、大沢たかお、田辺誠一らと共に「MEN’S
NON-NO」(集英社)のモデルとして活動していたという過去を持つ、異色の経歴の持ち主でもある。現在も有名企業の広告写真や雑誌の芸能人ポートレートなどを多数手がけているプロカメラマンが、なぜ一般人の遺影を撮影しようと思い立ったのだろうか?


「ちょうど私がこの個人スタジオを立ち上げる直前に、私の父親、祖母、祖父が相次いで亡くなったんです。でも、やはりスナップ写真しか残っていなかったため、遺影は葬儀屋さんが丁寧に背景を切り抜いて作ってくれました。ただ、僕もカメラマンであることから、『ちゃんとした写真があったらな……』と痛感したんですね。そこで、その後個人スタジオをオープンした際、母と母方の祖母も呼んで、ポートレートを撮りました。そして最近そのうちのひとり、祖母が亡くなったのですが、僕が以前撮った写真を遺影に使ってくれた。するとお坊さんをはじめ、いろんな人たちがほめてくださって……」

本記事はweb用の短縮版です。全編版は本誌にてお楽しみください。

この記事の全文は月刊終活 9月号に掲載されています

掲載記事

終活
2024.09.11