葬儀社がアフターフォローで遺品整理のお手伝い

ライフエンディングテクノロジーズ株式会社

社会の高齢化・孤立化が進む日本において、孤独死の増加は避けられない。その中で、どのような生き方、人との関わり方がベストなのかを考え実行することが、すなわち終活なのであろう。どの業界の事業者もそれらを視野に入れて活動する時代であるが、特に葬儀社をはじめとするエンディング業界の顧客が必ず抱えているのが、不動産・空き家、相続、遺品管理、介護・終末期医療などの問題だ。これらは課題であると同時に、新たなビジネスチャンスでもある。今号では、葬儀社の遺品整理に対する取り組み方について、新たなビジネス協力体制を模索するライフエンディングテクノロジーズ株式会社の白石和也氏、増井良彰氏に話を伺った。

1. 理想の「ワンストップ」を実現

エンディングのことなら何でも相談に応じられる葬儀社になりたい

こんなビジョンを抱いている葬儀社は多いのではないだろうか。
ご遺族にとって葬儀は終わりではなく、故人の人生を精算する作業の始まり。自分の生活のペースを崩して取り組まなくてはならない大仕事である。可能ならワンストップで、葬儀会社に相談し、サポートしてもらいたいのだが――そう考える人は少なくない。しかし、それを申し出るご遺族は極めて少ないのが現実だ。

100件の葬儀を行えば、60件のアフターセールスを獲得可能

「アフターフォローを効率化し、収益をアップするためには、精密な顧客管理・きめ細かな働きかけが必要ですが、それが叶えば葬儀件数に対して10%から60%ほど、100件施行すれば最大で60件ほどの遺品整理のご相談・依頼を受けられることが予測されます」
そう話すのは、ライフエンディングテクノジーズ(以下、LET)の代表・白石和也氏。「今、遺品整理の市場ニーズはどんどん広がっているので、そのお世話をできることは大きな強みになります」

2. 遺品整理の市場に食い込むために

遺品整理業のコンサルティング業務

白石氏が最初に起業したのがブランド品・ジュエリーのリユース店、その後、遺品整理のウェブ集客会社を起業しており、月間1万件以上の問い合わせのある会社を経営していた。その実績をもとにLETを創業したという経緯がある。
遺品整理業の集客、コンサルティング業務を行い、多数の具体的事例に取り組んだ経験からノウハウを豊富に持っている。遺品整理業は近年、参入が相次ぐとともにトラブルも激増している。その点、白石氏が選定した会社は確かな実績と利用者の信頼を得ており、安心してお客様にご紹介できる。

葬儀を起点としたアフターセールス事業の仕組みを構築

葬儀の仕事が遺品整理の仕事に繋がれば、仲介手数料を得られるだけでなく、その次は不動産相続、そして不動産売却の仕事に繋がる可能性が生まれ、より大きな収益が期待できる。アプローチ方法を工夫し、効率的な営業活動ができれば、葬儀単価を上げることが困難な時代、葬儀社にとって増収のチャンスが膨らんでいると言えるだろう。

アプローチ方法が課題

「葬儀を済ませたご遺族はグリーフ状態にあり、冷静に物事を判断することができません。そんな時にアフターの話をしても徒労に終わります」と白石氏。
葬儀社もそれはわかっていて、葬儀後に各種パンフレットを一括して手渡してご連絡を待つ、という形で営業する。しかし、ご遺族はどれが自分に必要なのか選別する気力が起きず、パンフレットは読まれないまま。そして必要なタイミングでネットを調べ、自分で遺品整理業者に依頼してしまうのである。
「ですから葬儀社様はご提案しているつもりでも、ご遺族側はそう認識していません」
白石氏は理想的な方法として、ある程度の時間が経過した頃、たとえば49日あたりに「その後、いかがお過ごしでしょうか」といったメッセージを送り、そこに「遺品整理などの御用があればご相談ください」といった形での提案を付け加えることを推奨する。

3. 葬儀から遺品整理の相談に繋げる際の注意点

注意1:賃貸か持ち家か

遺品整理に関するフォローアップにはかなり繊細な気遣いが必要になる。
「基本的に把握しておくべきは、故人様が住んでおられたのが賃貸住宅か、持ち家なのかということです。それによって遺品整理のタイミングは大きく異なります」(白石氏)
賃貸住宅の場合は、長くても3ヵ月ほどで解約手続きを済ませて退出するケースがほとんど。それに対して持ち家(一戸建て)の場合は、ご遺族(息子・娘)にとって思い出の家であることが多いため、心情的に1年間以上、手を付けないケースが多くなる。
こうしたことを踏まえて、ご遺族の生活状況や心理状態を推察し、タイミングを見計らって段階を踏んで連絡・情報提供を行うことが大切である。焦って早過ぎるとセールスと捉えられ、心証を悪くするし、遅すぎるとすでに用済みになっている。

注意2:最終的な意思決定者は誰か

「もう一つ大切なのは、ご遺族の中で最終的な意思決定者は誰かをきちんと把握することです。それは必ずしも喪主様とは限りません」と白石氏。
遺族が多いと、それぞれの価値観が違うため、兄弟(姉妹)間で意思統一を図る作業が必要になる。そうしないと何を棄て、何を遺すかで揉めてトラブルに発展する可能性が高くなる。
特にそれぞれが遠方で離れて住んでいる場合(故人の家は名古屋だが、子供たちは札幌、東京、大阪、福岡に在住など)、集まれるタイミングが限られているので、意思統一がなかなかできないこともあり得る。
「最も多いトラブルは、捨ててはいけない物が勝手に捨てられていたというケースです。ご長男は捨てていいと言ったのに、ご長女は聞いてない・許さない、といったように意見が食い違っている。だから事前にきちんと話を整理しておかなくてはなりません」(白石氏)。
遺品整理業者を紹介する以上、葬儀社もトラブルを未然に防ぐため、その家の事情や遺族間の人間関係などはある程度つかんでおくことが必要になる。

アフターフォローのノウハウを学ぶセミナーを開催

LETでは上記の基本的なことをはじめ、アフターフォローについての細かいノウハウを学べるウェブセミナーを毎月開催している。ご興味があれば参加してみてはいかがだろう?

葬儀供養業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)をけん引するライフエンディングテクノロジーズ株式会社が提供する「スマート葬儀CRM」。このシステムを活用することによって、葬儀社の新たな付加価値とされている葬儀後のアフターフォロー、その第一の課題となる遺品整理のニーズに応えることが可能になる。

葬儀社のビジネスモデルを変えるスマート葬儀CRM

「スマート葬儀CRM」で緻密な顧客管理を可能に

アフターフォローを効率化し、収益をアップするためには、精密な顧客管理・きめ細かな働きかけが必要ですが『スマート葬儀CRM』ならそれが可能です。
もちろん、1回のメッセージだけでは不十分なので、リアクションを見ながら繰り返し情報提供することが必要です。何度も重ねるうちに相談を受ける確率が高くなります。ただし、通常こうした手間暇をかけたアプローチは難しく、取り組みのハードルを上げています。そこで「スマート葬儀CRM」の顧客管理機能が力を発揮します。葬儀の時に出来るだけそのお客様の情報を得て、インプットしておけば、忘れず適切なタイミングでメッセージを送ることが可能になります。

「スマート葬儀CRM」で緻密な顧客管理を可能に

「スマート葬儀CRM」は、訃報通知や供花・供物のネット購入などをはじめ、葬儀時のサービス、さらに火葬場の予約、火葬許可書、埋葬許可書などの作業をデジタル化し、葬儀社全体の業務の効率アップに大きく貢献します。
また、経営者様にとっては、顧客管理と会計のデータを統合することで、経営判断の材料となる指標の分析を自動化。これまでのデータの整合性が取れないといった問題を解決し、経営判断においても大きなメリットをもたらします。その他、今回もご紹介した葬儀後の喪主様のフォローアップや、ECサイトにおけるアフター商材の受発注などについても手厚くサポートできる機能を完備。これらを通じてお客様との信頼関係を構築し、LTV(Life Time Value。顧客生涯価値。人の顧客が特定のサービスを使い続けた場合、支払う対価の総額)の最大化を実現します。
市場環境に適応し、付加価値を上げ、利益を確保し、今後の会社の成長を図るためには、コロナ禍以前のビジネスモデル、経営マインドを切り替えることが求められています。DXに欠かせないスマート葬儀CRM。導入・活用をぜひご検討ください。

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月刊仏事 2月号に掲載されています

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終活
2022.02.10