将来を見据えた終活事業の活性化に取り組む御殿場市

静岡県御殿場市 勝又 正美市長。富士山の麓で豊かな自然と農畜産物、美しい水に恵まれた御殿場市では、将来に向けて高齢者支援に力を入れている。この度、終活協定を結ぶことで、市民への充実したサポートを提供する勝又市長に話を伺った。

全国平均より低い御殿場市の高齢化比率の進捗

小林:御殿場市の魅力はどのようなところでしょうか。

勝又:ひとことで言うならば富士山の麓の街です。澄んだ空気と豊富な水で富士山の恵みをたくさん受けて成長してきた地域です。

小林:御殿場市は観光者が多い地域ですが、高齢化比率としては65歳以上の方が25.4%となっており、全国平均では低いと言えます。御殿場市の高齢化比率の進捗をどのようにお考えですか。

勝又: 全国平均ではまだ低いですが、高齢者同士で暮らす世帯やおひとり暮らしの高齢者は増加傾向にあります。

健康寿命の延伸を推進する静岡県独自の「お達者度」

小林:健康寿命の延伸を推進する、県独自の取り組みである「お達者度」について教えてください。

勝又:お達者度とは、静岡県が健康県として独自に作成したもので、65歳の方が自立して健康で暮らせる期間(介護を受けたり病気で寝たきりになったりせず、自立して健康に生活できる期間)を表すものです。いまのところ、女性は5年連続で県下1位、男性は県下6位といった結果がでており、県内で男女とも5位以内に入っているのは御殿場市のみになります。

※県内市町の死亡の情報、介護認定の情報をもとに、生命表を用いて算出

高齢者が暮らしやすい街づくりのための施策

小林:高齢者の方々が暮らしやすい街づくりを目指すなかで、具体的な取り組みについて教えてください。

勝又:バスやタクシーなど、移動手段の支援に注力しています。主に、タクシー及びバスの利用料金の一部を助成し、日常生活の利便性向上及び社会参加の促進を図っています。他にも、老人クラブへの支援活動や、市民ボランティアの方に高齢者の買い物や通院のサポートをしていただくことに対しても支援を行っています。

小林:エンディングノートについて教えてください。

勝又:私自身の経験からも強く感じていることですが、人生を活き活きと自分らしく生きるためにエンディングノートは非常に重要なものだと考えています。

今後の展望

小林:今後さらに加えていきたいサービスはありますか?

勝又:行政として高齢者に対する政策を増やしていくことは一番大事なことですが、行政だけでなく、市民の方々、地域の方々が高齢者を支えていく体制をつくることも大事だと考えています。そこに対して行政として支援をしていければと思います。また、介護施設や医療機関が行政と共に活動していくことで、さらに充実した高齢者対策が実現できると思います。

インタビュー全文は月刊終活 12月号に掲載されています

掲載記事

特集 自治体
2022.12.15