やすらぎの花の里 所沢西武霊園(埼玉県所沢市)
ガーデニングの第一人者・中本隆久氏が設計。樹木や花々の植栽は6〜7年後の完成形を目指す
東京ドームのグラウンド1個分超の広大な敷地に、バラ咲く聖園と和風・洋風の樹木葬が見事にコラボレーションされた「やすらぎの花の里所沢西武霊園」が埼玉県所沢市に誕生した。現在3年目を迎える同園だが、まず来園者を迎えてくれるのが、洒落た白い柵に巻きついたシンボル的存在の美しいバラのトンネルだ。また園内2カ所にある円形ベンチの休憩所にもツルバラが絡み癒し空間を演出している。バラは花が大きく咲くよう土壌改良が施されている。
この大規模霊園の設計、プランニングは、地元の住宅メーカー株式会社西武開発の田形幸満社長がガーデニング霊園の第一人者・中本隆久氏(株式会社ココ・プランニング 会長)に依頼し実現した。中本氏は日本で初めてガーデニング霊園を手がけ、多くのバラ咲く聖園などヨーロッパの庭園風文化を牽引してきたことでも知られている。
同園の特徴はなんといっても、一株ひと株想いの込められたメインの各種のバラと、四季折々の花々との芸術的な景観。景観重視のため、墓石の高さをあえて低く設定して、霊園全体が一望できるように設計されている。墓石型がメインのバリエーション豊富な永代供養墓は、各種の彩り鮮やかなバラと一体となっているため、その魅力を損なわないように工夫されている。また樹木や花々の植栽は6〜7年後に完成形を目指して設計されている。そのため、お墓参りのたびに変化していくのも訪れる人の楽しみの一つになっている。
「バラに癒されて眠る」洋風樹木葬と「和の庭園」を取り入れた和風樹木葬の競演
中本氏の卓越した発想力が生かされているのが、樹木葬「凛」だ。回遊式庭園をイメージさせるゆとりのある通路は、明るい石種で乱張りされ、車椅子でも窮屈さを感じさせない。その通路で仕切られた僅かに小高い墓域をシンボルフラワーの彩り鮮やかなバラと、四季折々の花々と、緑の芝生のコントラストが眩しく癒しを演出している(俯瞰パース参照)。まさに「バラに癒されて眠る」がキャッチの樹木葬ストーリーだ。
また一段小高い奥には、水をたたえた武蔵野台地のクヌギの上に可愛い観音像を配置、墓域を優しく見守っている。なお、ご遺骨は深川製磁製の骨壷で埋蔵される。
もう一つの特徴が和風霊園「燈」が追加されたことだ。これにより選択肢が増えたことになる。和の庭園をモチーフにした「燈」は、ペット専用合祀墓エリアも設けられ、園内敷地内でペットの火葬(予約制)も執り行っているため、火葬後は合祀墓の埋骨することも可能だ。和風の落ち着いた雰囲気が魅力だが、特に春にはシダレウメ、シダレザクラ、シダレモモの花が咲き、和風庭園に彩りをそえる。
このコロナ禍の状況下にあって成約率50%を維持していることは、同園の魅力を実証しているといえよう。
合同納骨合祀墓「集」はじめ、バラと一体化した選択肢が豊富な永代供養墓
中央のアイアンのオブジェが、武蔵野の杜から天に旅立つことをイメージして制作された合祀墓「集」は、8万円からと利用者スタイルの価格。黒い大理石の合同墓碑に名前が刻まれる。
またバリエーション豊富な墓石型永代供養墓は、色とりどりのシンボルフラワーのバラと一体になっており、価格帯も墓石の形によってさまざま。右上の写真の「温」は、墓石を大地から斜めに立ち上げた独自のデザインで125万円(税抜価格)より。因みにデザインの違いにより「憩」55万円(税抜)、「恵」72万円(税抜)、「想」98万円(税抜)、「彩」145万円(税抜)などがある。