株式会社阪神総商
代表取締役社長 田中元気氏
業界参入のきっかけと起業前後の様々なチャレンジ
小林:若手経営者として注目を集めていますが、供養業界に入られた経緯を教えてください。
田中:両親が自営業をしていたので、学生時代から将来は起業を考えていました。先輩の父親が大手霊園墓石会社を経営していたことが、供養業界に興味をもったきっかけでした。起業したいので会社で勉強させてもらえないかと頼み込み、入社しました。はじめは、とにかく夜中まで必死に働いて仕事を覚えました。入社2年で成績トップとなり、あらゆる業務を経験しました。しかし、目的はあくまでも起業でしたから、会社員でありながら常に社長目線で物事を考えながら働きました。そろそろ独立しようと思った頃に、先輩から『タイミングが来るから』と言われ、3年延長。7年間会社員として働きました。7年間の経験があったことで、独立してからも順調に事業が進みました。将来的に起業を視野に入れている方は、仕事を覚えるだけでなく、人脈を築いておくことが大事です。
全国展開を目指すための「理念共感」と「パートナー」の戦略
小林:兵庫県内で10カ所以上の霊園開発を展開されていますが、事業拡大の戦略を教えてください。
田中:2017年頃から霊園開発のTERASU PROJECTを立ち上げて、株式会社ココ・プランニングと全国に向けて展開しています。一社で全国を目指すのではなく、方向性の合う方々と一緒に展開していきたいと思って始めたプロジェクトです。この取り組みはお寺が収益事業をうみだし、永続的に経営していくことを目指しています。フランチャイズのような感覚です。現在、約5社と共同で進めています。
業界のピンチからオポチュニティをつくり、さらなる飛躍へ
小林:業界の課題と今後の展望を聞かせてください。
田中:現在、生前購入者が増えているので、いまが最盛期ではないかと思います。ということは、既に市場淘汰が始まっているとも言えます。景気が悪い状況だからこそ、積極的に前進し、仕掛けていくことが、良い結果を生み出すと思っています。立地や状況など、条件が厳しく、リスクの高い案件であっても、なんとか策を考えていこうと思っています。
業界へのメッセージ
田中:全国のお寺を訪問し、多くのお寺が疲弊していることを痛感しました。地域のお寺を守っていくことが、この業界にとって一番大事なことです。是非、お寺に挨拶へ行き、困っていたらお力を貸していただきたいです。真摯に向き合い、一緒に頑張っていきましょう。