大人も必須のフッ素ケア! 歯周病や二次虫歯の予防にも有効って本当?【ちょっとカラダにイイ話vol.17】

       
ちょっとカラダにイイ話 医療・介護
2025.11.10

健康な歯を維持するためのポイントとして注目されているのが、歯磨き粉にも含まれる「フッ素」。実は自然界にも広く存在しており、海産物や野菜、果物など、私たちが普段から口にするものにも含まれています。このフッ素は、歯にとって非常に心強い成分なのです。

写真出典:PIXTA

再石灰化を促し、歯を“強く、美しく”保つ

フッ素の主な働きは、酸によって歯の表面(エナメル質)から溶け出したカルシウムやリンを補い、再び歯の中へ取り込む「再石灰化」を助けること。さらに、歯そのものを酸に強くする「歯質の強化」、虫歯の原因となる細菌の活動を抑える「抗菌作用」など、さまざまなアプローチで虫歯予防に活躍してくれます。

お休み前のケアや歯科医院での塗布など、子どもの虫歯予防で注目されがちなフッ素ですが、実は大人にも欠かせません。

大人は治療済みの歯が再び虫歯になる「二次虫歯」や、歯周病によって新たに歯が虫歯になりやすい状態に陥ることもありますが、その予防にはフッ素による日常的なケアが有効。フッ素は市販のチューブタイプの歯磨き粉にも「フッ化ナトリウム」「モノフルオロリン酸ナトリウム」などの形で配合されているため、成分表示を確認することで見分けられます。

フッ素の効果をしっかり発揮させるには、口の中にできるだけ長く留め、唾液と反応させることが大切。特に、細菌が活発になりやすい就寝前でのフッ素の使用が推奨されています。ポイントは、フッ素を使用した歯磨き後は水で何度もすすがず、少量の水で1度だけ口をゆすぐこと。この方法で、より効果を発揮してくれます。

なお、「フッ素はヨーロッパで禁止されている」と聞いたことがある方もいるかもしれませんが、これは誤解です。歯磨き粉への使用は一般的。有害とされる「PFAS」は、有機フッ素化合物と呼ばれる別物で、虫歯予防に使われるフッ素とは異なります。

毎日の歯磨きに少しの工夫を加えるだけで、口内環境は大きく変わるかもしれません。年齢を重ねた今こそ、フッ素の力で健康な歯を守り続けたいですね。