その食べ方、もったいない! ビタミンB1の吸収率を上げる豚肉のおすすめ調理法【ちょっとカラダにイイ話vol.7】

       
ちょっとカラダにイイ話 医療・介護
2025.09.12

疲労回復効果があるとされているビタミンB1。ナッツやほうれん草、カリフラワー、大豆、赤身肉などの食材に多く含まれており、なかでも“豚肉”は定番食材のひとつです。今回は豚肉でビタミンB1を摂取する際の、吸収効率をアップする適切な食べ方について注目しました。

写真出典:PIXTA

香味野菜とあわせて吸収効率アップ!

豚もも肉には、100gあたりおよそ0.96mgのビタミンB1が含まれていると言われています。1日におけるビタミンB1の推奨摂取量は、30~40代の成人男性なら1.4mg程度で、女性は1.1mgほど。この数字から見ても、豚肉のビタミンB1含有量はかなり多いことがわかるでしょう。

そもそもビタミンB1は、体内で糖質をエネルギーへ変換する際に必要な栄養素。水に溶けやすい性質を持つことから、適切な調理法を用いなければ効率良く摂取しにくいのが特徴です。

そのためビタミンB1を摂取する目的で豚肉を食べる場合は、煮汁を捨ててしまうことがないよう工夫が必要。味噌汁、カレーなど煮汁も一緒に食べられる料理にすると、水分に溶け出たビタミンB1が無駄になってしまうのを防げます。

また他の栄養素や成分との組み合わせによっても、ビタミンB1の摂取効率が変化。特に注意すべきなのは「チアミナーゼ」と呼ばれる酵素です。チアミナーゼにはビタミンB1を分解してしまう働きがあるため、一緒に摂取するのはあまり適切ではありません。

チアミナーゼはワラビやゼンマイといった山菜をはじめ、淡水魚、貝類に多く含まれる成分です。熱を加えることで酵素の働きを弱めることができるので、もし豚肉と一緒に食べたい場合は、チアミナーゼを含む食材にしっかりと火を通した状態にしておきましょう。

ちなみにビタミンB1の吸収を促進する成分としては、ネギ、ニンニク、タマネギなどの香味野菜に含まれる「アリシン」が挙げられます。そのため生姜焼きや牛丼といった料理は、豚肉からビタミンB1を摂取するにはピッタリのメニュー。同じくビタミンB1を多く含んだ玄米などとあわせて献立を考えるのもおすすめです。

健康的な生活に欠かせない栄養素であるビタミンB1。調理法や他食材との組み合わせに注意しつつ、豚肉から効率良く摂取できる方法を取り入れてみてはいかがでしょうか。