乗船から散骨まで。利用者の疑問や不安を解消 注目を集める「海洋散骨」体験クルーズ

株式会社ハウスボートクラブ

 近年、特に自分の死後、墓や納骨堂への埋葬ではなく、自然に還る「海洋散骨」の希望者が増えているという。おひとりさまや子どもに負担をかけたくないという人を中心に、注目を集めている「海洋散骨」。自分が「海洋散骨」を希望する場合はどのような手順を踏むのか。遺族となった場合はどうすればいいのか。

 その疑問を解消すべく定期的に開催されている「海洋散骨」の体験クルーズの現在、発展・拡大中の新たな埋葬法の詳細をレポートする。(取材・文)高田晶子

クルーズ船出航の様子。写真撮影を楽しむ利用者も。

平日でも体験希望の人があとをたたない家族や友人と、一人で参加する人も

 海洋散骨体験クルーズを主催するのは、株式会社ハウスボートクラブ(東京都江東区/代表取締役社長:赤羽真聡)。東京は毎月1回、横浜は2カ月~3カ月に1回開催している。東京は朝潮運河船着場(東京都中央区勝どき4-6)から出航し羽田沖で模擬散骨し、横浜ぷかり桟橋(神奈川県横浜市西区みなとみらい1-3)から出航し大黒ふ頭沖で模擬散骨する。参加費用は東京・横浜共通して1名8800 円(税込)だ。

 都営大江戸線「勝どき」駅A5 出口から歩いて1 分。11:40 頃に朝潮小型船乗り場に到着すると、すでに朝潮運河に「House Boat Club」という青字のロゴが描かれたクルーズ船が停泊している。

 1階の船内前方には、華やかな生花に囲まれた模擬遺影やお供え物、手元供養の品物などが置かれた祭壇が設置してある。実際に申し込む場合は、この生花を故人が好きだった花などから選ぶこともできるという。相談次第でアレンジは可能だ。

 この日は家族連れ、友人同士、一人での参加と様々な人が参加し、満席だった。

乗船中は散骨のルールやマナーについても説明

 ライフジャケットを着用し、出航。

 船内では、海洋散骨にはルールやマナーがあり、場所や方法は周辺の人の宗教的感情に十分に配慮して行うことや、海洋散骨を行う海域はガイドラインにのっとり、漁船や海上交通の要所を避けて行っていること、お骨は形がお骨とわからないように粉末化しないといけないことなどが丁寧に説明された。

 「お墓が遠くてなかなかお参りできない」「跡継ぎがいなくて今後が大変」「子どもに負担をかけたくない」という人が多く、墓じまいをする人も増えているため、海洋散骨に興味を示す人が多いそうだ。

本記事はweb用の短縮版です。全編版は本誌にてお楽しみください。

この記事の全文は月刊終活 8月号に掲載されています

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葬儀
2024.08.08