鳴り響く爆竹に「泣き女」? 静けさより賑やかさが重視される中国のお葬式【今さら聞けない終活豆知識vol.23】

       
今さら聞けない終活豆知識 終活
2025.11.19

お葬式と聞くと、静かに手を合わせて粛々と故人を見送るイメージを持つ人が多いのではないでしょうか? でも、海をはさんだ中国では事情がちょっと違っているよう。日本と同じアジア圏にありながらどのような違いがあるのか、中国のお葬式事情をのぞいてみましょう。

写真出典:PIXTA

中国のお葬式は賑やかさが命!

日本のお葬式は静寂のなかで進行されますが、中国のお葬式はまったく違います。爆竹が鳴り、銅羅(ドラ)が響きわたり、とにかく賑やか。中国では大きな音は悪霊を追い、賑やかな演出は個人の社会的地位や生前の功績を示す手段とされているため、派手におこなわれるそう。参列者も多いほどいいとされているので、列が数キロに渡ることもあります。

また、感情の表し方にも違いが。日本人はあまり感情を表に出さず、偲び泣くというイメージがありませんか? 中国では感情はストレートに表現した方が良く、参列者の流す涙の量が、個人が生前に積んだ徳を表すと考えられています。

そのため、中国には「泣き女」という仕事があります。この「泣き女」が率先して泣くことで、周りの人が泣きやすい環境になる効果があるそう。なかには、個人の思い出や人生を連想させるような詩や言葉を織りまぜて、聞く人の感情を深く揺さぶることも。大人気でお葬式に引っ張りだこの大物「泣き女」もいるそうですよ。

一方、故人のあの世での暮らしを気にかけるところは両国ともに似ているかもしれません。日本では、故人があの世で困らないようにと、棺の中に愛用していた眼鏡や好きだったお菓子などを入れることがあります。その思いは中国でも同じ。ただ、中国では「紙銭」や「冥銭」という紙でできたお金を燃やすそう。最近では、中国元以外のドル紙幣や、銀行や家の模型などを燃やすこともあるようです。

「静かに見送る日本」と「賑やかに送り出す中国」という違いはあっても、どちらも故人を思う気持ちには変わりありません。お葬式の違いを知ることは、その国ならではの価値観や文化を知るいい方法かもしれないですね。