そのまま葬儀施行に向かう新入社員も!? ニチリョク、寺院本堂で入社式を開催

 4月1日、墓地・納骨堂の販売代行ほか仏事関連事業大手の株式会社ニチリョクの入社式が、都内寺院にて挙行された。
 寺院本堂での入社式とは、エンディング業界の会社といえどもあまり例がない。
終了後にはそのまま葬儀の現場に向かう新入社員もいたという、この入社式の様子をリポートする。

 世にも珍しい“寺院入社式”が挙行されたのは、赤坂不動尊威徳寺(東京都港区)。寺暦1160年余の同寺は、2016年にオープンした納骨堂「赤坂一ツ木陵苑」と一体化した近代的な7階建ての建物内にある寺院。その1階にある本堂は、数々の装飾仏具が放つ金色の光に満たされている。正面中央に鎮座するは、本尊である不動明王。その厳しい視線を受け、真新しいスーツに身を包んだ9名(男性1名、女性8名)の新入社員が入社式に臨んだ。

 ニチリョクは1999年に「本郷陵苑」(東京都文京区)の販売代行を開始した、自動搬送式納骨堂のパイオニア。現在は赤坂不動尊威徳寺の納骨堂「赤坂一ツ木陵苑」を手がけており、さらに最近では、本堂でのお寺葬や寺院墓地販売でも同社と緊密な協力関係を築いている。ニチリョクによればこの入社式は、寺院とともにサービスを提供する自社の姿勢を新入社員により深く理解してもらうために開催したのだという。

 入社式ではまず、本尊に向かって一同合掌礼拝。代表取締役社長の杉本卓士氏が「お客様の視点に立てる社員になり、若い想像力と行動力を発揮し、やりたいことにチャレンジしてほしい」と挨拶。最後に再び全員で合掌し、15分ほどで閉会となった。

 ひと昔前と違い、終活・葬儀・供養にまつわる事業を「人を幸福にする仕事」だとポジティブにとらえる若者は今、少なくないだろう。人材難の時代、エンディング業界の企業が新たな社員を迎え入れるには、労働環境の整備に加え、企業としての社会的役割や社員のスキルアップ機会の整備をきちんと訴えるとともに、入社式におけるこうした“ひと工夫”も必要なのかもしれない。

本記事はweb用の短縮版です。全編版は本誌にてお楽しみください。

記事の全文は月刊終活 5月号に掲載されています

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お墓
2024.05.07