終活は何歳から始めるべきか? というのは議論が尽きないテーマです。「まだ早い」と感じるうちは後回しにしがちですが、実は“思い立った今”こそがベストタイミングかもしれません。始めどきのメリットを年代別に整理してみましょう。

終活は「元気なうち」に始めるのが鉄則
終活をはじめる人が最も多いと言われているのが、定年後の65歳前後。子どもの独立や退職など人生の節目が重なるため、ちょうどよいタイミングだと考える人が多いようです。体力も判断力も十分なので、資産整理や住み替え計画をスムーズに進められるのが強みでしょう。
よりおすすめなのが、それよりも少し早い50代からのスタート。働きながら貯蓄計画を見直せるほか、家財の片付けなど体力を要する作業も負担が少なく済みます。定年までにまだ時間があるため、理想のセカンドライフに向けた資金確保などの準備がおこないやすいというメリットも。
さらに若い40代は、子どもの就職や住宅ローンの残高見直しなど生活設計の節目が多い時期。実はこのタイミングも、終活を始める好機でもあります。十分な収入と体力を確保しつつ、保険や相続対策を早めに整備できるため、後々の負担を大きく減らせるのが特徴です。
意外なことに、20~30代で終活を始める人も多くいます。このくらいの年代では「終活」を意識すること自体が少ないようにも思えますが、2024年1月におこなわれた楽天インサイト株式会社の調査によると、30代は「子どもができたこと」、20代は「生涯独身だろうと思ったこと」が終活を始める主なきっかけだそう。他にも、「テレビなどのメディアやSNSで終活について見聞きしたこと」も理由として多く挙げられています。
一方で、70代に入ると人間の体力や判断力は徐々に衰え始めると言われています。厚生労働省が発表した“健康寿命”の令和4年値は、男性が72.57歳で女性が75.45歳でした。健康寿命の手前までに一通りの終活を終えておくと、その後の暮らしを気兼ねなく、より自由に楽しめるでしょう。
各年代のメリットを紹介しましたが、結局は行動を先延ばしにしないことが最大のポイント。終活は年齢を問わず、今この瞬間から始められる“より良く生きるための計画”です。小さな整理から始めて、定期的に見直す習慣をつけてみてはいかがでしょうか。



