老後の過ごし方、世界のシニアはこう考えてる! 就労意欲・人づきあい・満足度の国際比較【今さら聞けない終活豆知識vol.29】

       
今さら聞けない終活豆知識 終活
2025.12.10

高齢化が進む日本。定年後の生活や仕事、家族との関わり方など、「老後をどう生きるか」は誰にとっても身近で普遍的なテーマですよね。内閣府が定期的に実施している「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」には、日本と海外の高齢者たちの価値観の違いが現れています。最新の第9回調査では、日本・アメリカ・ドイツ・スウェーデンの4カ国が対象。国ごとの興味深い差が見えてきました。

写真出典:PIXTA

高齢者の価値観はどう違う? 調査データが示す国ごとのリアル

調査によると、「子どもや孫とのつきあい方」については、4カ国とも共通して「ときどき会って食事や会話をするのがよい」と答えた人が最多。国を問わず「ほどよい関係性」を求めている傾向が見て取れます。

一方で大きな差が出たのが「今後の就労意欲」。日本では「収入の伴う仕事をしたい」と「したくない」がそれぞれ4割台で拮抗する一方、他の3カ国では「したくない」が6~7割を占めています。また、令和3年版「高齢社会白書」によれば、日本は就労理由として「収入が欲しいから」が最も多く、アメリカ・ドイツ・スウェーデンより「仕事が面白い、自分の活力になる」の割合が少ないです。以上の調査結果から、就労の理由は経済的なものが大きいと言えるでしょう。

また、社会活動への参加では、日独スウェーデンの3カ国で「全く参加したことがない」が最多でしたが、日本ではその割合が年々減っています。アメリカでは「宗教・政治活動」(40.9%)や「趣味・技能を活かした支援活動」(29.4%)が多く、社会とつながり続ける姿勢が見られました。

生活満足度については、アメリカでは「満足している」が7割に達したのに対し、日本ではわずか2割程度。多くは「まあ満足している」と回答しており、ほどほどを良しとする傾向も伺えました。

1980年から5年ごとにおこなわれているこの調査。おそらく今年は第10回調査が実施されると思われます。コロナ禍を経て高齢者の意識はどう変わるのか、今後の変化にも注目です。