私たちが日常的におこなっている「まばたき」。「目の乾燥を防ぐ」「目を潤す」といった役割があることは何となく知っていますが、実は人とのコミュニケーションを円滑にする重要な役割も担っています。今回は、あまり知られていない「まばたき」の驚くべき効能について掘り下げてみましょう。

目を守るだけじゃない! 「まばたき」の驚くべき効果
まずは、まばたきの基礎知識からご紹介。私たちが無意識に最も多くおこなっているまばたきは「自発性瞬目」といい、目を潤し目の健康を守ってくれる役割があります。スマートフォンやパソコンなどを長い時間見ているとドライアイになりやすいですが、これは「自発性瞬目」の減少によるもの。
「自発性瞬目」の他にも、音や風などの外部刺激に反応して起こるのが「反射性瞬目」というまばたき。さらにウインクのように意識的におこなうまばたきには、「随意性瞬目」という名前がついています。
実は、私たちは1分間におよそ20回まばたきをしています。まばたき1回につき0.3秒間目が閉じられているため、単純計算すると起きている時間の約1割は目をつぶっていることに。まばたきは、人生の大きなウエイトを占めているようです。
また、まばたきの頻度は精神状態によって大きく変動することも判明しています。例えば、怒っている時や緊張している時、難しい課題に向かう時などにまばたきは急激に増加。このように、まばたきは精神やコミュニケーションにも深くかかわっています。
まばたきとコミュニケーションの関係性を物語るのが、まばたきの「タイミング」に関する意外な事実です。例えば、ストーリー性のない映像を見る時は、人によってまばたきのタイミングはバラバラ。しかしストーリー性のある映像を見た時は、登場人物の動作の切れ目などで視聴者全員が一斉にまばたきをする傾向があると分かっています。
そして興味深いことに、対話中には話し手と聞き手のまばたきが、「会話の区切り」で同期することも判明。これらの現象から、まばたきは情報のまとまりを無意識のうちに他人と共有する役割を持つと考えられています。
普段何気なくおこなっている「まばたき」には、意外な役割が隠されていました。人と会話をする時は、相手のまばたきに注目してみると面白いかもしれません。