人生の終焉に向けた「終活」を進める上で特に大切なのは、「自分しか知らない情報」をなくすことです。家族や残された人に自分の情報をまとめて残しておくため、多くの人が活用しているのが「エンディングノート」。一体どんな使い方をされているのか、詳しく見ていきましょう。

「エンディングノート」には何を書くべき?
エンディングノートとは、介護や終末期医療、葬儀などに関する要望をはじめとして、経済状況や契約関係などを整理して書き残しておくもの。死後だけではなく、余生で何かあったときに備えることもできます。例えば延命治療の希望有無を事前に書き残しておけば、意識がなくなり自分の意思を伝えられなくなっても、周囲の人に希望を伝えることができるでしょう。
エンディングノートは有用ですが、法的な拘束力がないことには注意が必要です。法的効力がある遺言書とは違い、エンディングノートに書いたことはあくまで「お願い」。財産の分配について記載したとしても、書いたとおりの分配が法的に強制されるわけではありません。
法的な拘束力はないものの、形式や書き方に制限がなく自由に記載できるのがエンディングノートのメリット。気軽さ故に、終活の最初の一歩としてエンディングノートを作っておく人も多いようです。
エンディングノートに書くべき項目は、例えば所有財産の一覧や、デジタル機器やSNSのログイン情報と死後の取り扱い方針、延命治療の希望やペットの預け先などです。そのほか、亡くなった後に連絡してほしい人の一覧をつけておくと、残された人が困らずに済むでしょう。
具体的な情報だけではなく、家族へのメッセージや感謝、自分の人生の振り返りなどの思いを残しておけるのも法的拘束力のないエンディングノートだからこそです。最期のとき、家族に十分にお別れを告げる余裕がないことも多いはず。ノートに記しておくことで、思いを伝えることができるかもしれません。
エンディングノートの作成には決まりがないので、何に書いても問題はありません。市販のエンディングノートの様式も様々なので、自分に合ったものを選ぶと良いでしょう。また、法務省と日本司法書士会連合会が共同制作したエンディングノートのPDFが、両者の公式Webサイトで無料配布されています。書き方に迷うようなら、こちらを活用してもよいかもしれませんね。
残される人のためにも、そして自分らしい最期のためにも、ぜひエンディングノートをつけてみてはいかがでしょうか。