世界で異なる「高齢者」の年齢【今さら聞けない終活豆知識vol.92】

       
今さら聞けない終活豆知識 終活
2026.07.03

「高齢者」と聞くと、日本では一般的に65歳以上を思い浮かべる方が多いでしょう。しかしこの基準、実は世界共通ではありません。国や地域によって「高齢者」とされる年齢は異なります。日本における定義と世界における高齢者の年齢基準との違いをみてみましょう。

写真出典:PIXTA

先進国では65歳、発展途上国は60歳

日本では、高齢者は一般的に65歳以上とされています。これは年金制度や介護保険制度など、社会の仕組みが65歳を一区切りとして設計されているためです。そのため「65歳=高齢者」という認識が広く定着しています。

一方、世界に目を向けると、この年齢基準は一様ではありません。世界保健機関(WHO)では、一般的に65歳以上を高齢者としていますが、実情に合わせて60歳以上を採用する国もあります。一般的な目安として、欧米諸国やアメリカなどの先進国では65歳以上、アフリカや南アジアなどの発展途上国では60歳以上とされることが多く、これは平均寿命や医療環境の違いが大きく影響しています。

例えば、平均寿命が比較的短い地域では、60歳を迎えること自体が人生の大きな節目とされ、高齢者と位置づけられる傾向があります。一方、欧米や日本のように長寿化が進んでいる国では、65歳でも元気に働き続ける人が多く、「まだ高齢者とは言えないのではないか」という見方も増えてきました。

実際、日本国内でも変化が見られます。現在は65歳から74歳を「前期高齢者」、75歳以上を「後期高齢者」と分類していますが、近年では「高齢者は75歳以上とすべきではないか」という議論も進んでいます。背景には、健康寿命の延伸や高齢者の就労機会の拡大があります。

さらに近年は、「年齢」だけで高齢者を定義すること自体に疑問が投げかけられています。体力や認知機能、社会参加の状況など、個人差が大きい現代においては、「何歳か」よりも「どのように生活しているか」が重要視されるようになってきました。

このように、「高齢者」という言葉は単なる年齢の問題ではなく、その国の文化や経済状況、医療水準などを反映した社会的な概念といえます。これからの時代、年齢にとらわれず、一人ひとりの状態や役割に目を向けることが、真の意味での高齢社会の理解につながるのではないでしょうか。