宗教や風習などの文化的な背景から、国によって葬儀事情が異なるケースは少なくありません。そこで今回は、ヨーロッパ諸国のひとつである「ドイツ」の葬儀スタイルに注目しました。日本の葬儀事情と比べ、どのような違いがあるのでしょうか。

意外とカジュアルで柔軟なドイツ流葬儀
ドイツでは誰かが亡くなった場合、近しい相手に対してはまず電話やメール、黒い縁のついた手紙などで訃報が伝えられます。そして連絡を受けた側は、葬儀へ出席するかどうかを返信。この際、弔いの言葉を添えることもあります。
また、葬儀がおこなわれるのは死去後数日~数週間後と、時間的なゆとりがあるのも特徴。日本では葬儀前に“通夜”をおこなうのが一般的ですが、現代のドイツではおこなわれないケースも少なくありません。
加えて葬儀に参列する際、服装についての厳格なルールがないのもドイツと日本が異なる点のひとつ。黒やグレー、あるいは紺色など暗めのトーンで露出の少ない常識ある服装であれば、カジュアルなスタイルでも問題ありません。
キリスト教の形式に則る場合、葬儀は教会でおこなわれます。葬儀中は聖職者が故人の人生を振り返ったり、参列者が讃美歌を斉唱したりといった形で進行。終了後は埋葬の段階へと移ります。
かつてドイツでは土葬文化が主流でしたが、現在は火葬を選ぶ人も増加しているよう。ただし火葬は高温でおこなわれるため、骨の形は残りません。また、遺灰を自宅へ持ち帰ることが禁止されているのも日本との大きな違いでしょう。
ちなみにドイツでは、香典を渡す習慣が基本的にありません。そして葬儀後は、参列者を招いてお茶会または食事会が開かれることが一般的。カフェやレストランに集まり、故人との思い出を共有します。
日本とは異なるスタイルが特徴的な、ドイツの葬儀事情。宗教性や地域性が表れているだけでなく、時代に合わせて変化する柔軟な部分もあるようですね。

