「息が上がりやすい」は要注意!スポーツ貧血の原因と予防法【ちょっとカラダにイイ話vol.47】

       
ちょっとカラダにイイ話 医療・介護
2026.05.18

健康のために日頃から運動やトレーニングを心がけている方も多いと思います。しかし中には、「最近疲れやすい」「息が上がりやすい」と感じることはありませんか。その原因は、実は「スポーツ貧血」かもしれません。スポーツ貧血は、運動量の多い人ほど起こりやすいといわれ、特に持久系スポーツを行う人や女性アスリートに多く見られます。体調不良だけでなく、競技パフォーマンスにも影響するため、早めの対策が大切です。今回はスポーツ貧血の症状や原因、日常生活でできる予防法について紹介します。

写真出典:PIXTA

トレーニングと休養のバランスが体を守る

スポーツ貧血とは、激しい運動や長時間のトレーニングを続けることで、鉄分によって構成される赤血球やヘモグロビンが減少し、体内の酸素運搬能力が低下する状態を指します。酸素は筋肉を動かすための重要なエネルギー源であり、その供給が不足すると体は疲れやすくなります。

特にランニングやサッカー、バスケットボールなどの持久系スポーツでは、足裏への衝撃によって赤血球が壊れる「溶血」が起こることがあります。また、運動量の増加に伴い鉄分の消費量が増えることや、汗や尿によって鉄が体外へ排出されることもスポーツ貧血の原因の一つです。さらに、食事量が不足していたり、栄養バランスが偏っていたりすると、体が必要とする鉄分を十分に補えず、貧血が起こりやすくなります。

スポーツ貧血の症状は、最初は気づきにくいことが多いのが特徴です。しかし、疲れやすい、息切れしやすい、めまいや立ちくらみがする、顔色が悪い、動悸がする、集中力が続かないといった症状が現れる場合があります。また、トレーニングの成果が出にくくなったり、以前より運動がきつく感じたりすることもあります。このような変化が続く場合は、単なる疲労ではなくスポーツ貧血の可能性も考えられます。

予防のためにまず大切なのは、鉄分を意識した食事です。レバーや赤身の肉、カツオ、マグロなどの魚には吸収率の高い「ヘム鉄」が多く含まれています。また、ほうれん草や小松菜、ひじき、大豆製品なども鉄分を補う食材として知られています。さらに、鉄の吸収を高めるビタミンCを一緒に摂ることで、より効率よく栄養を取り入れることができます。

加えて、トレーニングと休養のバランスも重要です。運動量が多すぎると体の回復が追いつかず、貧血のリスクが高まることがあります。十分な睡眠と休養を確保し、無理のないトレーニング計画を心がけましょう。

また定期的な血液検査(ヘモグロビン、フェリチン)による管理も必要です。ヘモグロビン値が10g/dL以下、あるいは症状が顕著な場合は、医療機関での鉄剤治療が必要な重度の貧血の可能性があります。

スポーツを楽しむためには、体調管理も大切な要素のひとつです。自分の体の状態を理解し、適切な食事と休養を取り入れることで、スポーツ貧血を予防しながら、より快適に運動を続けることができます。