高齢になると様々な要因により食欲不振から体重が減少し、低栄養状態となることが少なくありません。低栄養状態になると筋肉量や体重の減少、免疫力低下による感染症リスクの増加、疲労感、だるさ、認知機能の低下、骨量減少などが生じます。そこで低栄養状態になる食生活の特徴と必要な栄養素についてご紹介します。

卵や肉類、豆製品などでたんぱく質を上手に摂取
高齢者になると、食事をきちんととり、健康的であっても、若いころに比べると加齢とともに筋肉量や骨量は減少していきます。そして高齢者の食生活の特徴として、独居や高齢者だけの世帯になると、同じものばかり食べたり、買い物や調理がおっくうになり、食事そのものへの関心が薄れ、食生活が単調になり、その結果、食事の回数が減ります。また歯の欠損や義歯の不適合により食欲減退や、飲み込みが悪くなる嚥下機能障害による食事量の減少、さらに配偶者との死別等による精神的なストレスも低栄養の要因となります。
令和5年の国民健康・栄養調査によると、65歳以上の高齢者の低栄養傾向者(BMI≦20 kg/m2)の割合は男性12.2%、女性22.4%となっています。低栄養状態で最も顕著に減少するのは、筋肉や血管に含まれるアルブミンなどのたんぱく質です。よって、筋肉を維持するためには栄養素の中では、特にたんぱく質を十分に摂取することが重要といえます。
たんぱく質は、獣鳥肉類、卵、乳類、魚介類、大豆製品などに多く含まれています。たんぱく質を多く含む食品を、1日1食や2食などの偏りのある食生活ではなく、1日3食規則正しく決まった時間に摂り、さらにバランスよく摂取することを心がけることが理想です。しかし、高齢者になると1回の食事量が少なくなるため、1回の食事で不足する栄養素は、間食などで摂るようにしましょう。
また調理については、いつも似たような味付けばかりだと食事がマンネリ化してしまうので、和風・洋風・中華いろいろな料理を取り入れ、味付けも酢や香辛料、香味野菜などを利用してメリハリのある食事を楽しむようにしましょう。調理が大変な方は宅配食やコンビニ、スーパーなどのお惣菜、冷凍食品などを上手に利用するのもおすすめです。
もちろん、筋肉量の維持には、定期的な運動も欠かせません。たんぱく質の質を多く取り入れたバランスの良い食生活と、適切な運動を普段から心がけることが、低栄養を予防し、健康寿命を延ばしていくことにつながります。


