通夜でロザリオの祈りを捧げる… カトリック教徒が多いイタリアの葬儀事情【今さら聞けない終活豆知識vol.33】

       
今さら聞けない終活豆知識 終活
2025.12.24

病院や施設で亡くなった後、自宅へと遺体を移して通夜を迎える… これは日本と共通して見られるイタリアの葬儀文化の一つです。カトリック教徒が多いイタリアでは、死を迎えた後の一連の儀式が宗教的な意味合いを強く持ち、故人の「復活」や「魂の安息」が重視されているそう。日本とは異なる文化背景を持つイタリアの葬儀について、詳しく見ていきましょう。

写真出典:PIXTA

故人が好んだ服で旅立つ文化

イタリアでは、故人の遺体を湯灌で清めたあと納棺され、通夜へと進みます。この流れは日本と似ていますが、違いの一つが故人の衣服。日本では経帷子という白装束を着せるのが一般的ですが、イタリアでは生前に愛用していた私服を着せることが多いそうです。これは、死を特別視するよりも、人生の延長としてとらえるカトリック的な死生観に基づいているとも言えるでしょう。

通夜では、参列者全員でロザリオの祈りを唱え、故人に捧げるのが慣例。日本のような厳格な喪服ルールはなく、暗い色の服であれば問題ないとされています。

翌日に、遺体が教会に運ばれておこなわれるのが、神父によるミサという儀式。教会でのミサは、故人が安らかに眠れるように祈り、参列者にとっても魂のつながりを再確認する重要な時間となります。

さらに、イタリアでは現在も土葬が基本。キリスト教では、故人は復活して天国に行けると考えられているため、火葬はタブーとされています。しかし、近年では敷地不足の影響で火葬を選ぶ家庭も増えている様子。墓地は10~30年の賃貸方式で、その後は納骨堂へと遺骨が移され、30年間管理されることになります。

日本と共通点もありつつ、宗教的価値観が色濃く反映されたイタリアの葬儀。背景にある文化や考え方を知ることで、死をめぐる世界の多様性にふれることができそうですね。

このように、沖縄には他の地域とは異なる葬儀文化が今も根付いています。お墓の大きさはただの外観の特徴ではなく、長い歴史と文化を今でも大切にする想いが込められていました。