マスク、洗顔、拭き掃除 日常でできる花粉症セルフケア【ちょっとカラダにイイ話vol.35】

       
ちょっとカラダにイイ話 医療・介護
2026.03.12

暖かい日差しに、やわらかな風。春は本来、心が軽くなる季節です。しかし同時に暖かな風とともにやってくるのが花粉です。心地よい季節のはずなのに、くしゃみや鼻水、目のかゆみに悩まされる人は少なくありません。日本の花粉症の有病率は年々増加していて、まさに“国民病”ともいえる存在です。なぜ花粉症は起こるのか、そして私たちはどう向き合えばよいのでしょうか。

写真出典:PIXTA

花粉症と上手につき合うコツは?

花粉症は、スギやヒノキなどの花粉に体の免疫が反応して起こるアレルギー症状です。くしゃみが止まらない、鼻水が続く、目がかゆくて仕方ない。人によっては頭がぼんやりしたり、集中力が落ちたりすることもあります。春の訪れを感じるよりも先に、「今年もこの季節が来たか」とため息をつく人も多いのではないでしょうか。

花粉症が増えた背景には、いくつかの要因があると考えられています。戦後に植えられたスギの木が成長し、大量の花粉を飛ばすようになったこと、都市化による生活環境の変化、さらには食生活の変化などが影響していると言われています。また、排気ガスなどの大気汚染が花粉を細かく砕き、体内に入りやすくしている可能性も指摘されています。

花粉症とうまく付き合うには、花粉をできるだけ体内に取り込まないことが大切です。外出時にはマスクやメガネ、帽子を着用し、帰宅後は衣服についた花粉を払い落とすことが効果的です。さらに、洗顔やうがいで花粉を取り除くことも有効とされています。室内では空気清浄機を使ったり、洗濯物を室内干しにしたりすることで、花粉の侵入を減らすことができます。また床掃除は、掃除機よりも湿った雑巾で拭き掃除すると、埃の舞い上がりを防止できます。

一方で、医療の面でも花粉症への対策は進んでいます。抗アレルギー薬や点鼻薬、点眼薬などによる治療のほか、体を花粉に慣れさせる「舌下免疫療法」といった治療法も広がってきました。またレーザーや高周波で鼻の粘膜(下鼻甲介)を焼灼して変性・縮小させ、過敏な反応や腫れを抑える鼻粘膜変性手術などもあります。症状が重い場合には、早めに医療機関を受診し、自分に合った治療を受けることが大切です。

花粉症は「耐えるしかないもの」ではなく、「上手にコントロールできるもの」になりつつあるのです。春は、花が咲き、新しい生活が始まる季節でもあります。花粉症があるからといって、外に出る楽しみまで失ってしまうのは少しもったいない気もします。しっかり対策をしながら、自分なりのペースで春を楽しむ。そんな付き合い方ができたなら、花粉の季節も少しだけ穏やかに感じられるかもしれません。