「おひとりさま」という言葉が広く使われるようになりました。未婚の方だけでなく、配偶者と死別した方や子どもが遠方で暮らしている方など、一人で生活する高齢者は年々増えています。そんな中で注目されているのが「おひとりさまの終活」です。おひとりさまだからこそ考えておきたい終活のポイントについてご紹介します。

財産や契約しているサービスは一覧にまとめる
まず「身元保証・生活支援の確保」です。病気や介護が必要になったとき、あるいは亡くなった後の手続きを担う家族が近くにいないケースもあるため、早めの備えが大切になります。身元保証人には家族や友人など信頼できる人にあらかじめ頼んでおくとよいでしょう。または民間の「身元保証サービス」を活用する方法があります。契約内容や費用(数十万〜数百万円)は業者によって異なるため、内閣府の「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」をクリアした信頼できる事業者を選びが大切です。
次に取り組みたいのが、自身の「財産や契約内容の整理」です。預貯金や保険、不動産、年金に関する情報だけでなく、携帯電話やインターネット契約、サブスクサービスなども含めて一覧にまとめておくとよいでしょう。最近ではネット銀行やネット証券を利用している方も増えており、本人以外が把握しにくい資産も少なくありません。万が一の際に必要な情報が分かるよう整理しておくことで、手続きを行う人の負担を軽減できます。
また、おひとりさまの終活に欠かせないのが「エンディングノート」です。エンディングノートには、自分の基本情報だけでなく、医療や介護に関する希望、延命治療への考え方、葬儀やお墓の希望、連絡してほしい友人や知人の情報などを書き残すことができます。法的な効力はありませんが、自分の意思を周囲に伝えるための大切な記録になります。特に判断能力が低下した場合や急な入院時には、自分の希望を伝える手段として役立つでしょう。
そして自分の遺産を特定の個人や団体に譲りたいなら、「遺言書」を書いておくとよいでしょう。身寄り(法定相続人)が誰もいない場合、遺された財産は最終的に国のもの(国庫帰属)になってしまいます。お世話になった人や団体(NPOや大学などへの寄付)に財産を遺したい場合は、法的効力を持つ「公正証書遺言」を作成しておきましょう。
さらに亡くなった後は、役所への届出、家賃の清算、葬儀、遺品整理など煩雑な手続きが必要になます。自分の死後に発生するこれらの一連の事務については、第三者(弁護士、司法書士、行政書士など)に託す「死後事務委任契約」を生前に結んでおくとよいでしょう。
おひとりさまの終活は、孤独な作業ではありません。地域の支援制度や専門家のサポートを活用しながら、自分らしい人生の締めくくり方を考えることができます。人生100年時代といわれる今、終活は「終わりの準備」ではなく、「これからを安心して生きるための準備」です。できることから少しずつ始めて、自分自身が納得できる未来を描いてみてはいかがでしょうか。

