椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などで起きる症状のひとつとして知られる「坐骨神経痛」。長時間のデスクワーク、運動不足、重たい荷物の運搬といったさまざまな要因によって引き起こされると言われています。今回は、坐骨神経痛が起きてしまうしくみと痛みの改善方法に注目しました。
放置すれば悪化する可能性も……
そもそも“坐骨神経”とは、腰から足先までの下半身に伸びている神経のこと。脊髄と体の各部分をつなぐ“末梢神経”の中ではもっとも太く長い神経とされていて、その太さは鉛筆あるいはボールペンほどにもなります。
坐骨神経が圧迫されたり炎症を起こしたりすると、いわゆる“坐骨神経痛”が発生。下半身の広範囲に痛みが生じるほか、足先のしびれや冷え、力の入りにくさなどを感じやすくなります。なかでも痛みの程度は人それぞれで、「電気が走るような痛み」の場合もあれば、「焼けるような」感覚になることも。
また、しびれや痛みが出ているにもかかわらず治療しないまま放置した結果、症状が慢性化して日常生活に支障が出るケースは少なくありません。症状の悪化を最小限にとどめるためにも、感覚の違和感が生じはじめたらなるべく早い段階で適切な治療を受けることが大切です。
坐骨神経痛の治療法としては、痛みを抑える薬の服用、コルセットの着用、接骨院での施術といった選択肢が一般的。また、お尻まわりをほぐすストレッチや無理のない範囲での運動によって筋肉をやわらかく保つなど、セルフケア的な方法もあります。ただしさまざまな治療を施しても症状が改善されない場合は、手術を検討する必要も出てくるでしょう。
坐骨神経痛による影響を防ぐためには、「同じ姿勢を避ける」「重たいものを持つときには膝を使い、腰への負担を減らす」といった普段からの意識が大切です。アクティブな暮らしを送り続けられるよう、日々の生活スタイルや体の使い方を今一度振り返ってみてはいかがでしょうか。
