2023年の最初のゲストは元プロ野球選手として非常に有名な江川卓様にお越し頂きました。月刊終活の誌面に先駆けて月刊終活WEBで先行公開となります。動画におさまりきらないトークは月刊終活2月号(2023年2月1日発行)に掲載されますので、そちらもぜひご覧ください。
月刊終活特別企画 江川卓氏×小林史生
小林:今月の月刊終活WEBは、なんと、元プロ野球選手で非常に有名な江川卓様にお越しいただいています。江川さん本日はよろしくお願いいたします。
江川:お願いします。
小林:江川さんというと、選手生命というのは9年ぐらいで、すごく活躍されていながら、もう来年はやらないと引退されました。そのあたりの引き際というのは、納得というか…スッとできるものなのですか?
江川:終活は突然やってくるんですよね。僕は速いボールというか、「三振」でうってきてしまったので。それが肩を痛めて、三振をとれなくなってしまった時に、三振というボールを見せられないということが、プロとして生きていくのは難しいということになりました。その時にピッチャーから別の生き方、終活に入ったということで、ご理解いただくとありがたいです。
親友・中村勘三郎さんのお別れ会の思い出
小林:今日は「終活」をテーマにお話をお聞かせいただきたいのですが、例えば江川さんの周りもプロ野球の関係者の方、お知り合いの方でお別れ会など、そういったことに参列されたご経験はあったりされますでしょうか。
江川:野球界ではないんですけども、同い年で、歌舞伎役者をやっていました中村勘三郎という人がいるんです。彼が5月30日生まれで、僕が5月25日生まれで、誕生日も5日違いでした。若い時からすごく仲が良かったんですけど、突然病に倒れて、10年前に亡くなりました。12月5日が彼が亡くなった日だったので、その日に家に集まって、法事を毎年やっています。
小林:まだお若かったですよね。
江川:57歳ですよね。これからっていう時だったんですけどね。彼の中では当然終活の準備はしないまま、っていうことになりましたけど、でもいつもそばにいて一緒にいる感じで今でも想っています。
小林:定期的にご家族にはお会いになるのですか。
江川:はい。奥様とはしょっちゅうお食事させていただいていますし、孫と子供たちの舞台にも行かせていただいているので、楽しみにしています。お父さんがやった舞台と同じものをやったりしますので、それも楽しみに観ています。
江川さんご自身の終活への取組み・考え方
小林:すごく身近な方がかなり早いタイミングで亡くなられたりして、江川さんご自身の終活に関しての考え方とか、何か準備されていたりとかございますでしょうか。
江川:そうですね。終活ということになってくると、たぶん、お墓になるんでしょう。父親から30年ぐらい前に、いずれお墓が必要だと言われました。父親が次男だったものですからお墓を持たなきゃいけないということで、うちは浄土宗なんだと初めて聞かされました。浄土宗でどこかお寺さんを見つけてくれということで、それで色々探させてもらい、つてをたどって東京都内でお墓を買いました。2002年に父が亡くなったんですが、亡くなる1年か2年前に買うことができました。
小林:お父様が亡くなられる前にいっしょにお墓探しをされたということですか。
江川:はい。父から、お墓があまり遠いところにあるとお前ら来ないだろうから、できるだけ住んでるところのそばに買いなさいと。そしたらしょっちゅう顔見せにくるだろうから、ということだけが条件で、それで選ばせていただきました。
小林:他に終活のために、例えば片付けだったりとか葬儀についてこういうことしたいといった遺言書だったり、何か準備されていることはございますか。
江川:そうですね。色んな葬儀に出させていただくんですけど、一番難しいのはやっぱり時間が長いっていうことでしょうか。亡くなった方に対して、あぁ長いなと思うのがすごく嫌なんです。やっぱりすごい功績があった人ほどいっぱい人が行くじゃないですか。そうすると時間がかかってしまいます。それをどれだけ手際よくやるかっていうのがたぶん…私がこんな専門家にこんなこと言うのは…なんですけれど。
小林:でもとても合理的ですよね。
江川:たぶんそれが一番早いというか、手際よく終わることが一番だと思います。行ったあとに「あの人すごかったね」と思われるのは、一番その時なんじゃないでしょうか。
小林:江川さんの場合、ものすごい大きな葬儀になられるんじゃないですか。
江川:そういうのありますよね。ありますから逆にそれを思うんですよね。それをやってるのは本人がやってるわけじゃないじゃないですか。亡くなった本人はできないけれど、周りの方がやるわけです。その周りの方がどういう風にやるかによって、その亡くなった方がどう思われるかっていう結論が出るのだと思っています。
それはとても大事なことだと思っています。終活の前に考えておかないと、もしそうなったらそういう風にしてくださいと事前に言っておかないとわからないことですから。
小林:たしかに。まったく違う形のものになってしまうかもしれませんよね。
江川:はい。そうすると何かもったいない気がしますので。
小林:そうですね。
本日は 江川卓様に色々なお話を聞かせていただくことができました。江川さん、今日は本当にありがとうございました。
江川:ありがとうございました。